さて今回はSEO対策の中から、ご自身のWEBサイト内で実施できる”内部対策”の中のひとつをご紹介します。
内部対策にもいろいろな方法があるのですが、この記事では「アンカーテキスト」についての対策をご紹介します。
アンカーテキストとはリンクが貼られたテキスト(文字)です。
文字列をクリックすると指定のURLへ移動できます。
アンカーテキストを通して、リンク先のページ内容が訪問者様に伝われば、アンカーテキストの役割は果たしています。
ただ、アンカーテキストをSEO対策に利用したい場合は、どんなキーワードを盛り込んでいくか、文字数をどうするか熟考したいところです。
というのも、Googleの初心者向けSEOガイドページ「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」にアンカーテキスト(=リンク)についての項目があり、「上手に使おう」と指南されています。
「アンカーテキストの正しい書き方や文字数は?」
「どのように書いていけばよりSEO効果が高いのか?」
WEBサイト制作の工程ではアンカーテキストを考えるステップが入っていないかもしれませんが、SEO対策の側面からは非常に重要な部分ですので、今回取り上げていきます。
○アンカーテキストのNG例
まず、アンカーテキストとしGoogleからNGとされているのは以下の3つです。
●「ここをクリック」「こちらから」などリンク先の内容がわからないもの
●URLをそのままリンクにする
●長過ぎる文章をリンクにする
NGとされながらも、このような記述を使っているWEBサイトも結構見られます。
というのも、「こちらへ」などの指示語は訪問者様にとって次にするべき行動がわかりやすく、イメージしやすいのでWEBサイト上の誘導としては問題がないからなんですよね。
けれど、「こちらへ」などでは移動先のページ内容がGoogleに伝わらないため、SEO対策的には不利になります。ページ内容がよくわからない低品質なリンクが張ってある、とGoogleに把握されてしまうからです。
そこでSEO対策に効果のあるアンカーテキストの作り方やコツについて、まとめていきます。
この記事の目次はこちらです。
- 作り方①お知らせ、ニュース、ブログ記事のアンカーテキスト
- 作り方②グローバルメニューのアンカーテキスト
- 作り方③パンくずリストのアンカーテキスト
- 作り方④ページ内、記事内のアンカーテキスト
- スピーディーな作業のために:チェックツールを使う
作り方①お知らせ、ニュース、ブログ記事
多くのWEBサイトのトップページやサイドバー、フッター部分には、お知らせやニュース、ブログ記事へのリンクがあります。この部分はCMSを使っている場合には基本的に自動更新となっていることが多く、各記事(ページ)のタイトルがそのままアンカーテキストになっているはずです。
SEO対策の側面から考えれば、各ページと同じタイトルをそのまま表示するのではなく、短くわかりやすいオリジナル文章でそれぞれアンカーテキストをつくります。
例でわかりやすいのが、Yahoo!ニュースのYahoo!トピックス。各ページのタイトルと別に、トップページに表示させるアンカーテキストがつくられています(これはSEOが目的ではないかもしれませんが、内容を短い言葉で伝えるという考え方は同じです)。
すべてのタイトルを毎回書き直すのは大変なので、作業量軽減のために、検索エンジンからの流入を意識しないお知らせやニュースはそのまま。そしてコラムなどアクセスを集めたいブログ記事はオリジナルのアンカーテキストと分けて運用する形がオススメです。
■SEO対策的アンカーテキストの作り方
キーワードを2〜3個残し、動詞や助詞などカットしていき短く編集します。
目指すのはGoogleが推奨する[短くてわかりやすいフレーズ]です。
●(元のタイトル)熊本を知るならここから!熊本城と水前寺を巡るコース
◎(短縮ver)モデルコース「熊本城〜水前寺」
→検索されやすい地名を残し、その地名についての何が書かれたページかがわかるように”コース”を残す。熊本城に熊本というキーワードが入っているので重複する部分はカット。
●(元のタイトル)東京都内のおすすめ「ハワイアンパンケーキ」が食べられる店6選 テイクアウト可能&季節限定メニューも!
◎(短縮ver)都内の「ハワイアンパンケーキ」6選
→都は日本に1つしかないので、東京は書かなくてもわかるためカット。何を紹介したページか伝えないといけないのでパンケーキと、ページのボリューム感がわかるよう6選も残す。
●(元のタイトル)熊本市中央区、旅行者にコインロッカーマップを配布 観光促進目的で
◎(短縮ver)熊本市が旅行者にロッカー地図
→誰が何をしたかがわかればよいので、主語の熊本市とロッカーマップはまず残す。地図のほうが文字数が少なく意味は同じなので地図に書き換え。
このように、まず元のタイトルから重要なキーワードを抽出。
それぞれのキーワードに優先順位を付けて上位2〜3個をピックアップ。
つなぎ合わせて意味の伝わる文章にします。
キーワードがつながっていれば、助詞や動詞がなくても、訪問者様に大まかな意味は伝わります。
■実際の記事タイトルとアンカーテキスト用タイトルを別につくり表示させる方法
上記のように実際のページのタイトルとアンカーテキストを別につくった場合、それをどうやってWEBページに表示させるか?ですが、手作業でリンクを貼っている場合は、自由な文字を書いてリンクタグを付けます。
CMSで自動更新される部分を書き換えたい場合は、コーディング担当者と相談して元のページ(リンクを貼るページ)にアンカーテキスト用の文字列を入れる枠を用意してもらいます。
例えば、WordPressを利用中であれば、SEO対策用プラグイン(詳しくは別記事のYoast SEOの解説をご確認ください)やカスタムフィールドを活用します。
カスタムフィールドならアンカーテキスト用の文字列を書き込む欄をつくり、その書き込みがあったときはトップページの自動更新タイトルがそちらを引っ張る形にします。
<?php the_field('text_field',123); ?>
↑表示したい箇所にこのようなコード(一例)を書き足すと、特定のページのフィールド値を表示させられます。
作り方②グローバルメニューのアンカーテキスト
次に、グローバルメニューです。
グローバルメニュー内のページは、自然とリンクが多くなるため、Googleに主要なページであると認識されます。
そのため検索エンジンで上位表示させたいページはグローバルメニューに入れたほうがよく、アンカーテキストも慎重に決めたい箇所です。
グローバルメニュー内の項目のアンカーテキストが重要な理由は、サイトリンクに表示される可能性が高いからです。検索結果ページから見てもわかりやすいよう、より短く(サイトリンクの表示可能文字数が短いから)、内容がわかる文字列にします。
■SEO対策的アンカーテキストの作り方/改善例
キーワードは1つ。ただ、不要なワードは省くものの短くしすぎず、そのページの内容・そのページでできることが具体的にわかる書き方にします。
●(元のメニュー)お問い合わせメールフォーム
◎(短縮ver)お問い合わせ
→メニューのお問い合わせという項目はすでに一般化しており、訪問者様にはページ内容が伝わるのでメールフォームはカット。
●(元のメニュー)提供サービス / 実績紹介ページ
◎(短縮ver)サービス / 実績
→一般化している項目名を使います。また、サービス、実績、事例、会社概要、料金、お見積りなどのワードだけで内容が伝わるため不要な文言はカット。
●(元のメニュー)TOP or HOME or ホームページ
◎(改善ver)WEBサイト名 or ホーム
→TOP、トップページ、ホームページなど、書き方はさまざまありますが、WEBサイト名か、「ホ―ム」のどちらかで統一がベスト。そのサイトの入り口ページは「ホーム」とするのが正式です。
●(元のメニュー)ピックアップ or 注目記事 or トピックス
◎(改善ver)おすすめ、人気記事
→こちらも一般化したワードかつ、そのページの意図(なぜピックアップするのか?)が伝わるように言い換えます。
■グローバルメニューは画像ではなく、テキスト表示で
前述したGoogleのガイドにも、グローバルメニューはテキストで書くことがオススメされています。大手企業のページでも、テキストが多く採用されています。どうしてもデザイン上、画像になってしまう場合は、alt属性にメニュー名を記載します。
作り方③パンくずリストのアンカーテキスト
WEBサイト内で重要な役割を果たすパンくずリスト。
ホーム(トップページ)から見て、自分がどの階層・位置にいるのかを示すメニューであり、SEO的にもWEBサイトの構造を伝えるために重要なものです。
パンくずリストにはカテゴリ名が出ていることも多いので、パンくずを見直す=カテゴリ名を見直すということにもつながります。
■パンくず(カテゴリ名)の基本
ホームから順番に、明らかに下層(詳細ページ)へ進んでいっているとわかるようなアンカーテキストにします。パンくずリストの目標は、訪問者様がページ検索機能を使わなくても目当てのページへたどり着けることです。
リンク先ページで訪問者様のどんな疑問が解決できるか、不安が解消できるかわかるように意識すると文章が作りやすいです。リンク先ページのタイトルと全く違っていても伝わる内容が一致していれば大丈夫です。
スピーディーな作業のために:チェックツールを使う
WEBサイトのトップやカテゴリページなど、リンクが多くてアンカーテキストがどうなっているのか確認が大変なときは、チェックツールを使ってください。
このアンカーテキストだけをみて、そのページの内容がわかればベストです。下層ページの内容も統一されているということなので、Googleも「何が書かれたサイトか」理解しやすいはずです。
まとめ
アンカーテキストを設定する上で、SEO対策的な視点から気をつけたいポイントや改善できる点についてまとめました。
アンカーテキストはそのWEBページの出口です。リンク先がサイト内部であるか、別の外部サイトであるかに関わらず、どんなページにリンクを貼っているか?は検索エンジンが非常に重視しています。品質の高いWEBサイトは、出口のページも品質が高いはずだという評価構造です。
どんな内容のページへリンクしているか明確にし、検索エンジンに正しく評価してもらえるWEBサイトをつくっていきましょう!