「ホームページで集客したいが、BtoBだから発信できる情報がほとんどない」
「コンテンツを作ったが資料請求ばかり増えて、なかなか成約しない」
このようにBtoB企業がホームページコンテンツを充実させようとするも、なかなか軌道に乗らず、行き詰まっている例をよく耳にします。
近年のBtoBマーケティングは、広告が中心で、そこからホームページに誘導していたと思います。しかし、どんどんネット広告はパーソナル対応となり、そもそも関心のない分野の広告はなかなか目にしてもらえない…。
そこで、広告に替わるものとして言われはじめたのがホームページのコンテンツです。コンテンツとは、まとめられた情報のこと。もっとホームページにコンテンツを多く掲載し、ネット上での検索ニーズに答えながら集客することが求められています。
しかし発信できる情報が少なかったり、BtoCのように大勢の顧客に対応するビジネスモデルではなかったりすることから、BtoB企業のコンテンツ戦略はコストパフォーマンスに見合わないと言われることも。それで冒頭のような悩みにつながっていたのです。
コンテンツをつくることはマーケティング戦略としては正解です。ボトルネックは、BtoB企業ではホームページを見ている担当者と決裁権限担当者が別のことが多く、情報がうまく伝わりづらいこと。そこをフォローできるようなコンテンツであれば成約率をアップできる可能性があります。
例えば、担当者がホームページを見て「よさそう」と思ったら、次にページを印刷するか郵送で資料を請求してから決裁権限担当者に渡すことになると思うのですが、ページを印刷するのも慣れていないと結構大変な作業ですし、郵送で頼んだカタログや資料はタイムラグが発生しているため「もういいかな」と思われてしまうことも。
そこでコンテンツに+αして行う対策としてオススメなのが、リアルタイムでダウンロードでき、担当者を助けられるコンテンツです。
ホームページの1ページとして料金表やお客様の声、導入事例等を載せるだけでなく、そこに書いている内容をPDFやExcel等でパソコンにダウンロードできるものにする方法です。すると、見ていたページが手元に残るので担当者は上司や決裁権限担当者への提案・プレゼンがとても楽になります。
まず、どんなコンテンツをつくればいいのかを5つご紹介します。
1.資料・カタログのダウンロードコンテンツ
郵送対応としている会社も多いと思いますが、忘れる前に見てもらうためにはネット経由でダウンロードしてもらうのが適切です。
・普段使っている営業用資料
・商品カタログ
・ガイドブックやミニ冊子
営業用にこれらを準備している企業様も多いのでは。
データの最後に社名・問い合わせ先・サービス案内を入れておくと、次の問い合わせにつなげられます。
メールアドレス等を回収しておきたい場合は、メールフォームを付けておき、そのメールに自動返信する形でダウンロードできるリンクを送るというのが定石です。
このパターンではほとんどリアルタイムで送付できますので、タイムラグがありません。ただ連絡先を入れることに抵抗を感じる人にはスルーされてしまいます。メールフォーム経由で資料を送るのであれば、その資料がメールアドレスと引き換えに「読みたい」ものである必要があります。
2.料金表
BtoB企業の料金表はプラン選択の説明等も必要で、非常に重要なコンテンツです。
「どういう人にどういうプランがオススメ」といった推奨基準や料金表自体のデザインなども整えることで、成約率が高まると言われています。
ホームページに料金一覧表を載せるだけでなく、わかりやすくデザインしたものをダウンロードしてもらうことで見込み客に社内で具体的な検討をしてもらいやすくなります。
・料金表
・推奨事例–「このような企業にはこのプランをオススメします」
この2つをまとめてダウンロードできると便利です。料金の問い合わせが多くて大変であれば、このように解説も加えた資料をダウンロードできる形にすれば解決します。
プラン等ではっきりと料金を明示するのがなかなか難しい場合は料金表を載せず、個別対応(その後見積りをお送りする)となると思うのですが、メールフォームからの問い合わせ後に、ヒアリングして見積りを送る旨をはっきりとホームページに書いておくとよいでしょう。導線がはっきりと目に入るだけでも、問い合わせ率は向上します。
3.導入事例・成功事例
具体的に検討している段階に近づけば近づくほど、事例を紹介したコンテンツは求められています。商品・サービスを利用している企業の姿を具体的に示すことで、見込み客は「うちだったらどうだろう」と具体的なイメージがつき、検討する段階に入りやすくなります。
・インタビュー
・数字を入れた実績レポート
・お客様の声
読み物とするのであればインタビューやレポート形式、数多く載せるのであればお客様の声としてコメントを掲載するのが一般的です。
お客様のお名前を出すのは難しいかもしれませんが、担当者が見積もり依頼やヒアリング依頼を出すか出さないか決める最終段階でチェックするのが事例です。
こちらもページに載せるだけでなくインタビューやレポートであれば冊子のようなデザインを施し、ダウンロードできると会社・サービスへの信頼度もかなり高まるでしょう。
4.用語集
お役立ちコンテンツのようですが、成約率のアップに貢献してくれるのが用語集です。新しいサービスや機械の導入の際に担当者が困るのが専門用語。その用語の解説がまとめて読めるのは何よりありがたいことです。
担当者に対する心象アップ効果もありますし、いくつかのカテゴリに分けて用語集をつくればブックマークしてもらえます。また、用語集をまとめてダウンロードできるようにし、その各ページや最後尾に会社のロゴや説明を入れておくと、単純接触回数が増えて親近感が増して信頼度も上がります。
5.社内提案用のパワーポイントテンプレート
担当者が上司や決裁権限担当者への提案をするときに、必要になるのが「この導入によってどんな効果があるか」説明した資料やパワーポイントです。
社内の詳しい事情がわからなくても、社内で提案するときに必要な情報であったり、ある程度の形式だったりはありますよね。それをつくってダウンロードコンテンツとします。
可能であればダウンロードした担当者が自由に編集できるよう、パワーポイントファイルで作成してあげるとより喜ばれます。
・サービス(会社)概要
・そのサービスが与えるメリット
・改善できること
・他社との比較
・導入企業リスト
このような内容をまとまったパワーポイントがダウンロードできれば、そのまま提出できそうですよね。
6.まとめ
BtoB企業のコンテンツマーケティング戦略は、どんなものを出すかだけでなく、どういう形で出すのか、誰をどうフォローすると成約率が上がるのかまで導線を組んで考えるとより効果的です。
ただマーケティングの支援会社を入れるとどうしても高額になるのが悩みどころ。ある程度の資料と企画は社内でつくり、サポート人員としてコンテンツ作りも得意なWEBデザイナーさんを入れるとコストも見合う形になるのではないかと思います。