「ネットショップの数が増えて検索結果ページからの流入が減ってきた」
「広告に頼らず独自ドメインのネットショップに集客したい」
近年ネットショップの数がとても増えており、楽天市場内だけでも約5万店の出店があるといわれています(2021年時点)。そのほかにもAmazonやYahoo!ショッピングなど多くのECモールがありますし、もちろん独自に構築したネットショップを運営をされているお店・企業さまも数え切れないほどあります。
運営者の皆さまのいちばんのお悩みは”集客に関すること”だと思うのですが、集客にも広告を使ったパターン、SNSなどによりブランディングを行うパターン、WEBサイト内のコンテンツを充実させるパターン、HTMLタグなどを正しく使いSEO対策をするパターンとさまざまな方法があります。
今回は、大きな投資をせずとも今すぐできるSEO対策(やり方)についてまとめたいと思います。
■ネットショップCMSを使っていても個別にできるSEO対策はある
独自に構築しているネットショップは自由にSEO対策ができるものの、逆にBASEやMakeShop、楽天市場などのCMSを使っていると細かなSEO対策はできないのでは?と尋ねられることもあります。
もちろんそれぞれ使っているサービスによりできることは異なりますが、最近ではECサイト構築サービス側もSEO対策が各ショップでできるよう配慮してくださっています。例えば、個別商品ページやカテゴリページそれぞれにSEO対策ができるなどのCMSも増えています。
まず、現在使用中のサービスのヘルプページなどをご確認いただき、「何ができる」「何ができない」を把握することろから始めてみてください。設定できるのに設定していなかった部分なども見つかるかもしれません。
例)MakeShopの場合
https://ms-manual.makeshop.jp/seo/
個別設定できる項目を説明した一覧ページがあります。descriptionメタタグの設定や、HTMLタグのいちばん上部に文章が挿入できるなど、設定できるポイントはいくつもあります。
例)BASEの場合
https://baseu.jp/6871#baseseo
SEO設定用のアプリケーションも用意されているBASEでは、それぞれのページでキーワードを設定したり、ページの説明=descriptionメタタグの入力をしたりすることが可能です。
このように一般的なECサイト構築サービスでも、ある程度限りはありますが、SEO対策ができるよう配慮されています。今回の記事を参考に、それぞれできる項目について調整を行ってみてください。
※ネットショップをこれから構築するという方は、過去記事:サクッとできるものから高難易度まで!ECサイト作成方法5選に詳しいので、よければ合わせてお読みいただければ幸いです。
1.ネットショップがSEO対策を行う目的とは
ネットショップのSEO対策のいちばんの目的は、「検索エンジンの検索結果ページからお客様を呼び込み、商品を購入してもらうため」です。
単なるSEOのテクニックでページの順位が上がれば良いだけでなく、それぞれの商品をどう表現すれば消費者の皆さまに特徴を理解してもらえて、「買おう」と思ってもらえるのか?も考えながらSEO対策を行う必要があります。
・SEO対策の技術的な知識(テクニック)
・商品の特性(それを表すキーワード)
・消費者の方々が求めている商品情報(マーケティング)
WEBページ内でこの3点のバランスを取っていくことが重要です。
そのため、SEO対策を行う業者さんに丸ごとお願いする、システム担当者が独自で実施するというよりは、商品をよく知っている方々とも連携しながら表現やキーワード選びを行い、考えていければベストです。
販売する商品をつくられている方々や、仕入れを担当するバイヤーさんたちと一緒にネットショップのページ作りもできればよりよい結果に結びつくのでは、と思います。
2.H1タグが重要!どう使われているか確認を
ネットショップのSEO対策で最も気を配りたいのが、各ページのH1タグ内に入る文章です。
HTMLソース上では、<h1>〜</h1>のタグで囲まれた部分を指していて、一般的にWordPressやネットショップ構築サービスを使ってつくったネットショップでは、H1タグは商品名の欄に入力した文章が入ります。
H1タグとは、各ページの最上位の見出しを表すHTMLタグで、各ページ内に1つだけ使用することができます(見出しタグの役割について詳しいのは、過去記事:見出しタグの重要性と持っている3つの役割)。
Googleが見出しの中で最重要視するのがH1タグなので、そのタグ内に何を書くか、注意深く考える必要があります。
ネットショップでは商品名にH1タグが付くことが多いため、商品名の欄に何をどう書くか?を熟考することが大切です。
■商品名=H1タグの工夫
- 実際の商品名:あか牛ローストビーフ300g
- SEO対策的商品名:熊本・阿蘇の和牛「あか牛」手作りローストビーフ300g
シンプルな商品名よりも、その商品の特徴をキーワードとして入れ、その組み合わせで”商品名”としたほうが、訪問者さまに商品のことがよく伝わります。また、キーワードが増えていることで検索で見つけてもらえる可能性が上がります。
<キーワード数の違い>
- あか牛ローストビーフ300g→あか牛、ローストビーフ(合計2つ)
- 熊本・阿蘇の和牛「あか牛」手作りローストビーフ300g→熊本、阿蘇、和牛、牛、あか牛、手作り、ローストビーフ(合計7つ)
キーワードが多いほうが、検索するユーザーさまも見つけやすく、そのページにたどり着きやすくなります。その欄に何を書くか、どんなキーワードを入れるか熟考して設定するようにしていきましょう!
例)ShopifyのH1タグチェック
ネットショップ構築サービスのShopifyの場合、Shopifyを通して作成したページは商品名に自動的にH1タグが付く仕様でした。そのほかのサービスも、やはり商品名にH1タグが付くことが多いようです。
CSVファイルに入力した商品名一覧を一気に管理画面から登録するというパターンもあるかと思いますが、ぜひ1つ1つの商品名は特徴がわかりやすく、ユーザーさまが見つけやすいキーワードを含んだものにしてください。
■H1タグがロゴやショップ名に付いているネットショップ構築サービスも
いくつかのサービスを調べてみますと、H1タグがロゴやショップ名に付いているところもありました。この場合、すべてのページのH1タグの中身が同じとなり固有の内容を検索エンジンに伝えづらいため、SEO対策の側面から考えるとデメリットです。
これからネットショップをつくられるのであれば、できればH1タグは商品名などページごとに内容が変わる部分に付けられるサービスを選びましょう。
もちろんこのH1タグがSEO対策のすべてを決めるものではないため、今お使いのサービスがあるのであれば、そのほかにSEO対策ができることはないか?考え、できるところから作業を進めてください。
3.H1タグの最適な文字数を検討する
H1タグ内に入れる文字数は、原則として字数制限がありません。Googleなどが決めているといったこともありません。ただ、サービスやデザイン、システム上の都合で30文字以内、など制限があることも。
また、商品名がそのサービス内の検索ページやページタイトルに使われることが多いため、表示されるページの上での文字数制限には気を配らなければいけません。
Googleの公式ガイドページでも、descriptionタグを使うこととそのメリットについて言及されています。
商品説明文はページに来てくださった訪問者さまへ伝えることとともに、Googleなど検索エンジンにも重要視されている部分です。しっかりキーワードを盛り込んで作文し、集客につなげていきましょう!
5.各ページのtitleやdescriptionがどうなっているか?チェックするツール
実際に各ページが検索エンジンからどう見えているのかをチェックするツールもあります。ネットショップの構築を制作担当者さんにお任せしている場合や、ネットショップの構築サービスを使っているので中身の把握ができていないときはぜひ一度使ってみてください。
例)
https://www.kumamon-yokamon.com/shopdetail/000000001139
↓
title:椿油276g【東製油所】-6025-日用品、雑貨
description:「くまモンのふるさと・よかもんショップ」で取り扱う商品「椿油276g【東製油所】」の紹介・購入ページ
キーワードを分類してみると、CSVファイルやデータベースから取り込まれただろう数字なども入っています。また、descriptionは各ページの商品名を差し替えた自動生成であることがわかります。必要な情報はしっかり入っていますが、SEO対策をしたり、集客を強化したりしたいなら、やはり自動生成ではなく固有の、そのページの内容がどう伝わるか考えた文章を入れたいところです。
まずH1タグ内と、descriptionのチェックを行い、個別ページごとにキーワードを設定して、それぞれを組み換え、訪問者さまが求める情報が伝わっているかどうか?改めてチェックしてみてください。
まとめ
ネットショップはいろいろな構築サービスがあり、無料のものや格安でシステムがつかえるものもあります。ただサービスによってはSEO対策できる項目が限られたり、Googleが必要としているHTMLタグが入っていなかったりする可能性があります。
独自で構築したネットショップであれば、システム担当者さんと相談すれば必要に応じて文章を変えていくことが可能です。ネットショップ内は商品点数が膨大で、どうしても各ページで対応するのが難しい場合は、売れ行きのよいものから優先順位をつけて変更する、できればトレンドに合わせて定期的に変更するといった運用も行ってみてください。