初心者が習得しやすいサーバサイドのプログラミング言語として、人気のあるがPHPです。
1994年に開発され、プログラミング言語の中でも歴史は長く、書店やインターネットでも簡単に情報が手に入ります。
Facebook、Yahoo、Wikipedia、ニコニコ動画など多くの企業が採用していました。
(現在では、PHPから移行している企業もあります。)
ブログサイトや企業サイトのCMS(コンテンツ管理システム)として利用されているWordPressもPHPを使用しています。
本記事では、PHP・WordPressの導入方法から基本的な使い方、オススメのフレームワークを説明します。
「プログラミングに興味がある」、「会社でWordPressサイト運用を任せられたけど、使い方がわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
PHPの導入方法
PHPを使用するためには、環境設定が必要です。
環境構築には、PHPとApacheをインストールする必要があり、大きく2つの方法に分けることができます。
・PHP、Apacheを別々にインストールする方法
・XAMPP(Windows)、MAMP(Mac)をインストールする方法
XAMPP・MAMPには、「Apache」、「MySQL」、「PHP」が含まれており、このアプリケーションをダウンロードすることで、初心者でも簡単に環境構築ができるようになります。
今回は、簡単に設定できるXAMPP・MAMPを使った方法を紹介します。
OSによって設定方法が違うので、注意してください。
Windowsの設定方法
最初に、先ほど説明したXAMPPをインストールします。
公式サイトURL:https://www.apachefriends.org/jp/index.html
ダウンロードと表示されている一番左の「Windows向けXAMPP7.1.11」を選択して、ダウンロード。
現時点(2017年12月6日)では、「PHP 7.1.11」が安定バージョンとして提供されています。
ダウンロードが完了すると、このような画面が表示されます。
セキュリティソフトを入れている場合、インストールするとき、「本当にインストールしますか」という旨のアラート(警告)が表示されます。
インストールによる危害は、ありませんので、「はい(Yes)」ボタンをクリックしてください。
「xampp-win32-7.1.11-0-VC14-installer.exe」というファイルがダウンロードされていることを確認したら、インストーラファイルを実行します。
ファイルを実行すると、ここでもアラートが表示されますが、「はい」を選択して設定を進めます。
XAMPPのインストールが起動すると「Next」をクリックします。
使用するサーバー機能やプログラミング言語を設定します。
初期設定では全てのチェックボックスにチェックが入っていますので、そのまま進めます。
(「Progam Languages」の「PHP」にチェックされていることを念のため確認してください。)
次は、インストール先のフォルダを選択します。
初期設定では、「C:\xampp」です。
変更したい場合は、変更先のフォルダを選択します。
(特に問題がない場合は、初期設定のまま進めてください。)
「Next」を選択すると、次の画面に移動します。
Bitnamiというアプリケーションの紹介画面です。
チェックが「入っている」、「入っていない」どちらでも手順の方法や結果は変わりません。
「Ready to Install」の画面で「Next」をクリックすると、セットアップが始まります。
インストールにはしばらく時間がかかります。
インストールされている間は、パソコンに負荷をかける作業はせず、じっと待機しましょう。
セットアップが完了するとこのような画面が表示されます。
「Do you want to start the Control Panel now?」にチェックを入れておくと、「Finish」をクリックすると管理画面が表示されます。
正常に表示されたらインストール完了です。
Macの設定方法
MacでもXAMPPを使って環境設定することが可能です。
設定の手順や方法は、Windowの場合とほとんど同じになります。
Macには、MAMPというアプリケーションを利用して、環境設定することもできます。
MAMPはXAMPPと比べて、付属しているソフトが少なく、Macに特化していることが特徴ですが、機能的にはほとんど違いがありません。
(Windowsでも使用することは可能です。)
特に理由がなければ、Macを使っている場合は、MAMPを使用するのがオススメです。
まず、公式サイトにアクセスしてMAMPをインストールするところから始めます。
公式サイトURL:https://www.mamp.info/en/
「MAMP」と「MAMP PRO」がありますが、今回はMAMPをインストールして説明します。
一番左に表示されている「DOWNLOAD」をクリックします。
ダウンロードしたファイルを実行すると、このような画面が表示されるので「続ける」をクリックします。
「大切な情報」に画面が進むと、ファイル名の変更やファイルの移動をしないように注意した文章が表示されます。
ここの画面でも、先ほどと同じように「続ける」をクリック。
次の「利用許諾契約」画面でも同じように、「続ける」を押します。
インストールには80MBほどの空容量が必要になるので、メモリを十分に確保しておきましょう。
インストールには5分ほど時間がかかります。
その後、インストール完了画面が表示されたら、セットアップは終了です。
WordPress導入方法
PHPの環境設定が整った後は、Wordpressを導入しましょう。
今回は、エックスサーバーを使ったWordpressの導入導入方法を紹介します。
早速、エックスサーバーにアクセスします。
10日間無料で使用することもできるので、初心者の方はお試しにこちらのプランを利用するのがオススメです。
手順に通りに、契約の手続きを進めます。
会員登録した後は、ドメインを取得します。
ドメイン取得サービスとして「お名前.com」や「ムームードメイン」などがオススメです。
お名前.comURL:https://www.onamae.com/
ムームードメインURL:https://muumuu-domain.com/
ドメインを取得した後は、エックスサーバにログインして、「サーバーパネル」のログインをクリック。
サーバーパネルにログインした後は、ドメイン設定を選択します。
STEP1:デフォルトでは、「ドメインの一覧」のタブに設定されているので、「ドメインの追加設定」に切り替えます。
STEP2:取得したドメインをドメイン名に入力
STEP3:「ドメイン設定の追加」をクリック
(誤って入力すると、サイトが正しく表示されないので、注意して入力しましょう。)
これでドメインの設定は終了です。
ここから、本題であるWordPressの導入について紹介します。
サーバーパネルの左下にある設定対象ドメインから先ほど設定したドメインを選択して。「設定する」をクリック。
サーバーパネルのホームページメニュー一覧にある「自動インストール」を選択。
STEP1:タブを「プログラムのインストール」に切り替えます
STEP2:WordPress日本語版の「インストール設定」をクリック
STEP1:ブログ名を入力
STEP2:ユーザー名を入力
STEP3:パスワードを入力
STEP4:メールアドレスを入力
STEP5:インストールをクリック
ブログ名、ユーザー名、パスワード、メールアドレスなどは後から変更することが可能です。
インストール完了後、WordPressの管理画面URLが表示されるので、アクセスします。
このようにWordPressの管理画面が表示されていれば問題ありません。
インストール時に設定した、ユーザー名とパスワードを入力してログインします。
キャッチフレーズの設定
初期設定として、まず最初にやるべきことは、キャッチフレーズの設定です。
キャッチフレーズとは、サイトのコンセプト・趣旨・目的などを簡潔に入力します。
サイトタイトルと同じで、キャッチフレーズもSEOに大きな影響を与えます。
検索者に伝えたい内容を吟味して。キャッチフレーズを設定してください。
管理画面のサイドバーから「設定」の中から「一般」を選択します。
キャッチフレーズの欄に入力して、「変更を保存」をクリック。
パーマリンクの設定
パーマリンクとは、「Permanent link」の略称になり、サイト内の固定ページや記事など1つ1つに割り当てられるリンクです。
途中でパーマリンクを変更するのは、SEOの面で不利になるので、必ず最初から設定しておくようにしましょう。
パーマリンクの設定方法は、サイドバーの「設定」から「パーマリンク設定」をクリック。
カスタム構造の空欄にパーマリンクを設定します。
Googelは、シンプルでわかりやすいURLを推奨しています。
ここでは、パーマリンクで多く設定されている「/%category%/%postname%」と入力。
注意すべきなのは、日本語でURLを設定することです。
日本語のURLはリンクバーでは、日本語で表示されているのがメリットですが、日本語で設定しても英数字の文字列に置き換えられます。
そのため、SNSなどにリンクを載せると長文になってしまい、見栄えが悪くなるのがデメリットです。
パーマリンクは英語で設定するようにしましょう。
プラグインのインストールと有効化
キャッチフレーズとパーマリンクの設定が終わると、次はプラグインのインストールと有効化をおこないます。
サイドバーの「プラグイン」から「新規追加」を選択。
検索窓にインストールしたいプラグインを入力して、検索します。
検索結果の中からインストールしたいプラグインの「今すぐインストール」をクリック。
インストールが完了したら、「有効化」をクリックしてプラグインを有効にさせます。
オススメのプラグイン紹介
入れておきたい、オススメのプラグインを紹介します。
Akismet
スパムを対策するプラグインが「Akismet」です。
多くのサイトが利用しており、スパム対策のツールとして最も有名になります。
プラグインダウンロードURL:https://ja.wordpress.org/plugins/akismet/
Contact Form 7
「Contact Form 7」は、お問い合わせフォームを作成することができます。
プラグインのインストールが完了すると、サイドバーに「お問い合わせ」という項目が追加されます。
プラグインダウンロードURL:https://ja.wordpress.org/plugins/contact-form-7/
「お問い合わせ」を選択して、「新規追加」をクリック。
コンタクトフォームの編集画面に切り替わり、フォームの名前や項目を変更できます。
Image Widget
このプラグインを利用すれば、ウィジェットから画像を表示することができます。
HTMLコード書く手間を省略できるので、作業効率を上げれるのがメリットです。
プラグインダウンロードURL:https://ja.wordpress.org/plugins/image-widget/
TinyMCE Advanced
文字の装飾やタグなどを簡単に作成できるのが、このプラグインの特徴です。
記事を大量に執筆される方は、このプラグインを使って時間を短縮させましょう。
プラグインダウンロードURL:https://ja.wordpress.org/plugins/tinymce-advanced/
WP Multibyte Patch
このプラグインは、WordPressを導入したときからインストールされています。
しかし、デフォルトでは無効になっているので、有効化しましょう。
有効化することで以下の効果があります。
・メールの文字化け防止
・トラックバックの文字化け防止
・ピンバックのバグ防止
・文字数カウント機能のバグ防止
・検索時のスペース誤認識の防止
・ファイル名のマルチバイト部分の変換バグ防止
すでにインストールされていると思いますが、念のためリンクを記載しておきます。
プラグインダウンロードURL:https://ja.wordpress.org/plugins/wp-multibyte-patch/
Broken Link Checker
サイト内のリンクを自動的に切れていないかチェックできるプラグインです。
記載ミスやリンク先のサイトが閉鎖するなど、リンク切れの可能性は常にあります。
リンクが切れているとSEOの面でも良くありません。
手動でリンク切れをチェックするのは、非効率なので、このプラグインを使いましょう。
プラグインダウンロードURL:https://wordpress.org/plugins/broken-link-checker/
PHPの基本的な使い方
PHPの基本的な使い方について紹介します。
記述方法
PHPを記述する際は、の間にコードを記述します。
HTMLページ内でも、PHPのコードを記述して、コードを動かすこともできます。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>test</title> <link rel="stylesheet" href="./css/style.css"> </head> <body> <?php print 'Hello Word'; ?> </body> </html>
<?php $var = 'Hello Word'; print $var ; ?>
それぞれ違った書き方になりますが、「Hello Word」と同じように表示されます。
このように、プログラミングでは記述方法は違っていても、結果は同じになることがあり、何通りもの記述方法があることを覚えておいてください。
文字出力
文字の出力には、「echo」か「print」を使用します。
<?php print 'Hello Word'; echo 'Hello Word'; ?>
「Hello Word」という文字が2回表示されます。
コメント
コメントとは、ソースコード上にメモを残しておく機能です。
どのような意図でプログラムを記述していたのか、メモを残しておくことで、メンテナンス時に役に立ち、制作者以外の人が見てもすぐに理解することができます。
コメントは、プログラムに影響を与えることなく、サイト上に表示されることもありません。
記述する方法は、「#」、「//」、「/*〜*/」を使った3種類です。
「#」・・「#」の後に入力する文字はコメントとして認識される
「//」・・「//」の後に入力する文字はコメントとして認識される
「/*〜*/」・・「/*」と「*/」の間に入力した文字がコメントとして認識される
<?php print 'Hello Word'; #これはコメントです。 print 'Hello Word'; //これはコメントです。 print 'Hello Word'; /*これはコメントです。*/ ?>
四則演算
四則演算の使い方も必ずマスターしましょう。
まず、使用する記号について理解する必要があります。
「+」・・加算
「-」・・減算
「*」・・乗算
「/」・・除算
「%」・・剰余
<?php echo 15 + 5; // 結果は20 echo 15 - 5; // 結果は10 echo 15 * 5; // 結果は75 echo 15 / 5; // 結果は3 echo 15 % 5; // 結果は0 ?>
変数
変数はデータを格納する箱に例えれらることが多いです。
プログラミング言語によっては、少し機能性が違うこともありますが、PHPの場合は、変数を格納するものと考えてください。
変数を使用するときは、「=」を使います。
プログラミングにおける「=」は、同等という意味ではなく、左辺に右辺を代入するという意味になります。
<?php $name = '佐藤'; print $name; //佐藤 $date = '1月1日'; print $date; //1月1日 ?>
配列
配列とは、複数のデータを1つの変数に代入することです。
使い方は以下のようになります。
<?php $name = ['佐藤', '田中', '鈴木', '山田'] print $name[0]; //佐藤 print $name[1]; //田中 ?>
連想配列
要素に名前を付与して、呼び出すこともできます。
<?php $position_name = [ 'president' => '佐藤'; 'vice_president' => '田中'; 'general_manager' => '鈴木'; 'manager' => '山田'; ]; print $position_name['president']; //佐藤 print $position_name['vice_president']; //田中 ?>
if文
条件によって処理を分けたいときに使用するのが、「if文」です。
条件を満たす場合を「真」、条件を満たさない場合を「偽」とよびます。
if文の書き方は、以下のようになります。
if(条件){
条件が真であるときの処理
}else{
条件が偽であるときの処理
}
$old = 50; if($old >= 20){ print '年齢は20才以上です'; }else($old =< 20){ print '年齢は20才以下です'; }
複数の条件分岐
if文はいくつもの条件を分岐できます。
if(条件1){
条件が真であるときの処理
}elseif(条件2){
条件が真であるときの処理
}else{
条件が偽であるときの処理
}
$old = 50; if($old >= 40){ print '年齢は40才以上です'; }elseif($old >= 20){ print '年齢は20才以上です'; }else($old =< 20){ print '年齢は20才以下です'; }
While文
While文は繰り返しの処理をおこなうときに、使用するループ文です。
書き方は以下のようになります。
<?php $i = 0; while($i <= 10){ print $i; $i++; } //012345678910と表示されます。 ?>
for文
for文では、繰り返しを条件分岐できます。
書き方は以下のようになります。
for(条件){
処理を記述
}
<?php for($i=0; $i<10; $i++){ echo $i; } //0123456789 ?>
PHPフレームワーク
フレームワークとは
フレームワークは、作業時間を短縮するために作られた型です。
ゼロからWebアプリを開発すると、莫大な時間がかかります。
少しでも手間を省けるように、基本的な枠組みを作っておき、それを利用することで作業を効率化でき、現在ではフレームワークを使った開発が一般的です。
作業を効率化でき、時間を短縮できるのがメリットですが、デメリットもあります。
フレームワークを使用する才は、ルールや規約に従ってコードを記述しなければなりません。
ルールや使い方を覚えるまでは、苦労しますが、負担を減らすことができ、楽に開発できるのでオススメです。
フレームワークの比較
PHPで使用できるフレームワークは数種類あります。
それぞれのフレームワークを説明する前に、以下のことを意識して選ぶようにしましょう。
・機能
フレームワークによって、搭載されている機能は違います。
必要としている機能が搭載されていることを確認してから使いましょう。
「多くの機能を搭載している=優れたフレームワーク」ではありません。
たくさんの機能を備えていると、処理速度が遅くなることや扱いにくくなることが考えられます。
機能面と実用性、両方の面で適したフレームワークを選びましょう。
・情報
情報を集めやすいフレームワークを使用することがオススメです。
情報量が多いと、エラーなどの問題解決が楽になります。
CakePHP
2005年に登場した歴史の長いフレームワークです。
素早く、効率的にWebアプリを開発することに特化しており、高い生産性が人気の理由です。
MVC(モデル・ビュー・コントローラー)モデルを採用しており、scaffolding機能も使用できます。
比較的簡単に習得することができるので、学習コストも抑えることができます。
FTPでパッケージをアップロードするだけで、動作するので、標準的なレンタルサーバーを使用すれば、動作が可能です。
「PHP4」。「PHP5」どちらでも使用することができます。
しかし、現在では使用者が減っていると言われています。
Laravel
海外での利用者が急激に増えており、日本国内でも使用する方が増加しているのがLaravelです。
今一番注目されているフレームワークは間違いなく、このフレームワークになります。
CakePHPと比べ難易度が高いので、学習するのに時間がかかるのが、デメリットです。
しかし、CakePHPよりも規約が少なく自由にコードを書くことができ、他のフレームワークにも応用しやすいのがメリットになります。
FuelPHP
規約より設定を重視しており、処理速度が速いのが特徴です。
フレームワーク特有の複雑なファイル設定や規約などを排除して、シンプルで使いやすいことを目的として作られています。
利用者数が減少しているのがデメリットです。
まとめ
PHPの環境設定、WordPressの設定、PHPの基本構文、フレームワークなどを紹介しましたが、いかがでしょうか。
「ブログをつくりたい」と考えている方は、WordPressを導入するだけでつくることができます。
WordPressはHTMLとCSSの基本的な部分を理解していれば、個人のブログサイトや企業のホームページなどが製作可能です。
Webサービスを開発するためには、PHPの習得とフレームワークを使いこなせるようになりましょう。
プログラミングを学習する用途や目的に合わせて、最適なツールを選択してください。