Web制作に役立つクラウドサービスを13個とり上げてご紹介します。
日ごろのWeb制作業務に役立つツールから、業務を効率化してくれる便利系ツールまで。ストレージ系のサービスやドキュメント制作ツールなど、ジャンルごとにまとめています。毎日の制作業務に活用していってください。
※なお本記事では、Web制作全般に役立つサービスに限って取り上げています。コーディングやマーケティングなどの専門的なサービスについては、他の記事でまとめる予定です。
クラウドサービスの基礎知識
さて、本題に入る前に基礎知識のおさらいをしておきましょう。
クラウドサービスの基礎知識やメリット、クラウドサービスを使うときに知っておくべきこと(注意点)の順に解説します。
クラウドとは?
クラウドはここ数年、スマホやタブレットの普及とあわせて、人々の生活にすっかり定着をしました。クラウドを活用したサービスやアプリも数多くあるので、エンジニアでなくても常日頃からクラウドに接している人は多いことでしょう。
ここまで生活に密着をしたクラウドですが、その意味が理解できている人は案外少ないようです。クラウドとは結局、どういったもののことを指しているのでしょうか?
簡単に言うと、クラウドとはデータやソフトウェアなどのシステム資産を、インターネットを介して利用する技術のことです。
従来は手もとのパソコンにあったものが、インターネットを介して雲(cloud、クラウド)の向こう側にあることから、クラウドと名付けられました。
クラウドサービスとは?
クラウドサービスとは、その名の通りクラウドを活用したWebサービスやアプリなどのことを言います。
記事でもご紹介するDropboxを例にあげて、ご説明しましょう。
Dropboxがどういったサービスかと言うと、インターネットを介してさまざまなファイルを保存しておくことができるものです。
今までは自分のパソコンに保存していたものも、Dropboxというサービス上に保存をしておけるようになるのです。容量が少なくなったからといって、ハードディスクを買い換える必要もありません。
クラウドサービス、便利ですね!
なお、ここではストレージサービスのDropboxを例にあげました。ストレージサービス以外にも便利なクラウドサービスはたくさんあります。その辺については記事の後半でご紹介していますので、そちらをご覧ください。
クラウドサービスの特徴(メリット)
クラウドサービスについて、もう少し掘り下げておきましょう。
クラウドサービスの特徴や、得られるメリットを5つに絞ってご紹介します。クラウドサービスをより一層活用するためにも、主な特徴については把握しておくといいでしょう。
すぐに使える
クラウドサービスを使いはじめるには、そのサービスのアカウントを作成すれば済む場合がほとんどです。
使いたいと思ったら、すぐに使いはじめられるということ。ソフトをインストールする必要もありませんし、ましてやパソコンなどの機器を揃える必要もないのです。
逆に、利用をやめる時も簡単です。契約を解除したり、アカウントを削除すれば済むケースがほとんどです。
どこでも使える
クラウドサービスはインターネットを介してサービスを利用します。逆に言えば、インターネットにつながる環境でさえあれば、どこでも使えるのです。
場所に縛られることもありませんし、端末を選ばずに使うことができます。
社内のパソコンで作成していたドキュメントを、客先への移動中にスマホやタブレットで編集することもできます。
チーム作業が捗る
クラウドを使うと、チームでの作業も捗らせることができます。
クラウド上にファイルが保存してあるとしましょう。その場合、自分だけでなくチームの複数人でファイルを閲覧したり編集をしたりできるのです。
ドキュメントだけでなく、スケジュールを共有したり、開発環境を共有したりもできます。
コスト削減ができる
クラウドサービスを導入すると、従来は必要だったシステム資産を購入する必要がなくなります。そのため、コストの削減になるケースが多いです。
初期費用だけではなく、設備の管理費用や設置に必要なスペースもいらなくなります。
メンテナンスや更新作業が不要
クラウドサービスでは、機器のメンテナンスはサービス提供会社が行ってくれます。つまり、こちらからメンテナンスをする手間がかかりません。
また、ソフトのアップデートもサービス提供会社が行ってくれます。何もしなくても、最新のバージョンでサービスが利用できます。
クラウドサービスの注意点
クラウドサービスが魅力にあふれていることはわかりましたが、利用する時に知っておくべき注意点もあります。クラウドサービスを正しく、安全に使っていくためにも、デメリットについても理解しておくようにしましょう。
注意点として真っ先にあげられるのは、セキュリティ面の課題です。クラウドサービスを使う場合、自社やクライアントに関するデータをやり取りしたり、保存をすることになります。セキュリティへの対策が甘いサービスは、利用しない方がよいでしょう。
また、サービス終了の可能性があることも知っておきましょう。何らかの理由で、クラウドサービスが提供されなくなる、ということです。そうなった時に困らないよう、日ごろからデータのバックアップをしたり、複数のサービスを併用するなどの工夫をしておきましょう。
ストレージ系
それでは、Web制作業務で使っていきたいクラウドサービスを紹介していきましょう。
まずはストレージ系のクラウドサービスから。ファイルがストックしておけるだけでなく、共有をしたり、複数人で編集をすることもできます。
料金については、ストレージ容量によって複数のプランが用意されているサービスがほとんどです。保存したいファイルの種類や用途に応じて、最適なプランを選ぶようにしましょう。
Dropbox
» Dropbox
概要
ストレージ系のクラウドサービスとして、世界中で使われているDropbox(ドロップボックス)。ドキュメントや画像、動画、プログラムなど、あらゆるファイルを保存しておくことができます。
Dropboxの料金プランと、利用可能な容量は下記の通りです。
プラン名 | 料金 | 容量 | |
---|---|---|---|
個人向け | Basic | 無料 | 2GB |
Plus | 月額1,000円 | 1TB | |
チーム向け | Standard | 月額1,250円/ユーザー | 2TB |
Advanced | 月額2,000円/ユーザー | 必要に応じた容量 | |
Enterprise | お問い合わせ | 必要に応じた容量 |
クラウドサービスと聞くとセキュリティも気になるところですが、Dropboxではデータ転送にSSL/TLSが、保存されているデータについてはAESが適用されています。
主な機能
Dropboxの特徴や活用方法について見ていきましょう。
Dropboxはストレージサービスなので、クラウド上にさまざまなファイルを保存しておくことができます。保存したファイルはクラウド上にアップロードされるので、いつでもどこでもファイルを見たり編集したりできるようになります。もちろん、端末も選びません。
Dropboxには個人で使うだけではなく、複数人での作業にも使えます。Dropboxでは「共有」という機能があります。単一のファイル、もしくはフォルダごと、他のユーザーに共有することができます。会議やセミナーで使ったファイルを、メンバーに共有したりできます。
もう一つ、Dropboxはローカルと同期させることも可能です。PCの中に保存されているファイルと、Dropbox上のファイルとを同期させることができるのです。PC上のファイルを編集すれば、自動でDropboxにも同期されます。日常的に編集するファイルを使っているのなら非常に便利ですね。
あともう一つ、DropboxをWebサイト用のサーバーとして使ってしまう方法もあります。レンタルサーバーを使ったり自前でサーバーを立てるのが普通なのですが、こんな裏技的な活用法もあったりします。
Google ドライブ
» Google ドライブ – 写真やドキュメントなど、ファイルのクラウド ストレージとバックアップ
概要
検索エンジンのGoogleが提供しているストレージサービスです。Googleのアカウントがあれば無料ではじめられることもメリットでしょう。
15GBまでは無料で使えますが、それ以上の容量を使いたい場合は有料のプランに申し込む必要があります。例えば100GBまでのプランなら月々250円(年間の一括だと2,500円)、1TBまでのプランなら月々1,300円(年間の一括だと13,000円)といった風になっています。
なおGoogleドキュメントやスプレッドシート、スライドで作成したファイルについては、上記のストレージには含まれません。
主な機能
上で取り上げたDropboxのように、クラウド型のストレージサービスはさまざまです。その中にあって、Googleドライブは大きな魅力があります。というのも、Googleの他のサービスとの連携がスムーズであることがあるからです。
ご存じのように、Googleはさまざまなサービスを提供しています。メールサービスのGmailや、写真共有サービスのGoogleフォト(旧 Picasa)など。GoogleドライブはGoogleのサービスなので、当然のことながらこういったサービスとの連携がしやすくできているのです。アンケートや問い合わせフォームが作成できるGoogleフォームも便利ですよ。
もちろん、保存したファイルの共有や共同編集など、クラウドサービスならではのメリットも享受できます。PC向けやスマホ向けのアプリケーションもリリースされています。
Googleドライブについては下の記事でも解説しています。
iCloud Drive
» iCloud – iCloud Drive – Apple(日本)
概要
iCloud Driveは、iPhoneやMacなどの製品で有名なApple社が提供しているクラウドストレージサービスです。
iPhoneやMacを使っていれば、導入もスムーズにできますし、ぜひとも活用したいところ。ただ、Windowsパソコンでもそれは同じなんです。あまり知られていないのですが、WindowsでもiCloud Driveを使うことはできるんです。
無料で使える容量は5GBまでで、それ以上の場合は有料の月額料金プランを購入する必要があります。Googleドライブなどのサービスと比較すると若干少なめですが、導入として試験的に使うのであれば全く問題ない容量でしょう。
主な機能
iCloud Driveの機能ですが、基本的には他のストレージサービスと同様です。
まずは保存できるファイル形式から。iCloud DriveではドキュメントやPDF、画像など、あらゆるファイルを保存することができます。Web制作で必要なファイルはあらかた保存しておけるでしょう。
またiCloud Driveでも、ローカルに保存したファイルと同期をさせることができます。各端末に追加されたファイルや、編集がされた内容は即座にクラウドにも保存されます。
ドキュメント系
ドキュメント作成やメモが保存しておけるクラウドサービスです。Wordなどのインストール型のソフトを使ってもいいのですが、ご紹介するツールではクラウドならではのメリットも受けられます。
デザインのアイデアをメモしておいたり、気になったWebページをストックしておいてもいいですね。
Evernote
» 思いついたことを簡単に記録できます。 | Evernote
概要
数あるクラウドサービスの中でも、Evernote(エバーノート)は最もよく知られたサービスの一つでしょう。
クラウドにメモ(Evernoteではノートと呼びます)が保存しておけるサービスで、テキストだけでなく写真やPDF、ドキュメントなどもストックしておけます。
Evernoteは無料で使うことができ、必要なのはメールアドレスだけです。ただし、無料プランでは月間アップロード容量や端末数、使える機能に制限があります。
各プランの概要を下にまとめておきましょう。
プラン | 料金 | 特徴 |
---|---|---|
ベーシック | 無料 | 無料で基本的な機能が使えるプラン。月間アップロード容量は60MBで、端末数は2台まで。 |
プラス | 年額3,100円 | ベーシックよりも制限の緩和された有料のプラン。月間アップロード容量は1GBで、端末数に制限なし。 |
プレミアム | 年額5,200円 | 全機能が使えるプレミアムプラン。月間アップロード容量は10GBで、端末数に制限なし。 |
Evernote Business | 月額1,100円/ユーザー | 企業向けのプラン。チームで使うことが前提になっていて、ユーザーの管理機能や共同編集に役立つ機能が備わっています。 |
Evernoteはスマホやタブレットとの相性もいいこともあって、公式・非公式問わずいろいろなアプリがリリースされています。ChromeなどのブラウザにもEvernote関連のプラグインがあるので、そちらも活用したいところ。
主な機能
ここまででEvernoteの魅力は十分に伝わったかと思いますが、Web制作での活用方法についてもう少し解説しておきましょう。
ご存じのように、Web業界に限らずネット社会では大量の情報が氾濫しています。日々の忙しい生活の中で、必要な情報を正しい形で保存(ストック)しておくことはとても大切。ここにEvernoteが役立つのです。
気になったことをEvernoteに保存しておけば、アイデア帳として使うことができます。デザインのアイデアや、参考になりそうな技術記事をストックしておいてもいいでしょう。
ストックしておくだけではなく、後からメモを検索することも簡単です。ジャンルごとにメモをまとめておくこともできますし(ノートブック機能)、タグを使った分類も可能です。
さらに嬉しいのは、画像のテキスト検索です。会議中にホワイトボードに書いた内容や手書きのメモの内容も、写真に残しておけばEvernoteで管理ができるのです。
Simplenote
概要
メモができるクラウドサービスとしてはEvernoteがおそらく最も有名でしょう。メモまわりの機能も豊富に備わっています。
Simplenote(シンプルノート)もEvernoteと同じくメモをとるためのクラウドサービスです。メモを取ることに特化しているサービスなので、Evernoteのように多機能ではありません。しかし、それが逆にSimplenoteの魅力になっていると言えます。
SimplenoteはUIもシンプルにまとめられているので、メモを取ることに集中できるでしょう。スマホアプリも使いやすく、いつでもどこでもメモを取ることができます。WindowsやMac向けのアプリもリリースされています。
主な機能
Simplenoteは上で紹介したように、機能はシンプルです。メモを取ることと、メモを管理するための基本的な機能のみついています。基本的な機能と言いましたが、例えばタグ機能やインスタントサーチ、共有機能などが備わっています。
その他に便利なものとして、過去のバージョンに遡ることができる機能があります。version sliderをドラッグすることで、以前のバージョンに復元させることができます。
Googleドキュメント
» Google ドキュメント – オンラインでドキュメントを作成、編集できる無料サービス
概要
こちらもGoogleが提供しているクラウドサービスです。Googleドライブのところでも出てきましたね。
Googleドキュメントはその名の通り、ドキュメントを作成したり、編集することのできるサービスです。
ドキュメント作成と聞くとWordが最も有名ですが、Googleドキュメントはそれに引けを取らないほと秀逸なサービスです。一般的なドキュメント作成に加えて、クラウドならではのメリットがあることがその理由です。
主な機能
先ず何と言っても、Googleドキュメントは無料で使えるところが嬉しいですね。Googleのアカウントさえあれば、誰でもすぐに利用できます。
場所や端末を問わずにドキュメントが扱えるので、営業や会議などで社外にいる時にも使えます。また共有機能を使って、チームでコラボレーティブな作業をする際にも役立ってくれるでしょう。
上で述べたように、Googleドキュメント以外にもGoogleドライブ上で使えるサービスはありましたね。Googleドライブで使えるサービスを、表にまとめておきましょう。
Googleドキュメント | ドキュメントの作成、編集ができるサービスです。Wordに対応しています。 |
---|---|
Googleスプレッドシート | 表計算ファイルが作成、編集ができるサービスです。マクロやピボットテーブルなど、高度な機能も備えています。Excelに対応しています。 |
Googleスライド | プレゼン資料が作成できるサービスです。同じくプレゼン資料作成用のツールであるPowerPointに対応しています。 |
Googleフォーム | アンケートや問い合わせフォームが作成できるサービスです。フォームの作成や公開ができるだけでなく、結果の集計をする機能も備えています。 |
Googleドライブのところで触れたように、これらのサービスはストレージの容量にカウントされません。積極的に活用していきましょう。
概要
Pocket(ポケット)は、いわゆる「あとで読む」系のサービスです。気になったWebページをクラウド上に保存できることが特徴。いったんPocketに保存しておけば、ネットのない環境であとからWebページを読むことができます。
この種のサービスは他にもいろいろありますが、Pocketと並んで有名なのはInstapaperでしょう。
どちも良いサービスなのですが、使い勝手やUI、連携可能なサービスを考えるとPocketに軍配が上がると言えるでしょう。ただ細かい機能ではInstapaperの方が優れている印象もあるので、実際に使いながら自分に合うサービスを選びたいところです。
主な機能
Web制作に限らず、IT系全般ではいかに新しい情報に触れるかが大切です。そのため、日ごろからネットでニュースやブログ、キュレーションサイトをチェックしている方も多いことでしょう。気になるページが多くなってくると、一度に読むことも大変になってきますよね。
そんな時に役立つのが、Pocketのようなあとで読む系のサービスです。PocketにWebページを保存しておけば、時間ができた時にいつでも見直すことができます。日々の情報収集がより一層はかどることでしょう。
PocketにWebページを保存する方法ですが、対象のページのURLを指定するだけでOKです。Pocketを開くのが面倒なら、ブラウザから直接保存する方法もあります。拡張機能やプラグインを使えば、ブラウザから一発でPocketに記事が保存できます。いちいちPocketを開かなくてもいいので、便利ですね。
Pocketでは、保存したWebページの分類や検索も可能です。この辺りは上でご紹介したEvernoteと同じですね。Pocketでは保存した記事にタグを付けたり、お気に入りとして分類することもできます。読み終わった記事はアーカイブしておくと便利でしょう。
契約書、請求書など
Web制作の現場でも、見積書や納品書などいくつもの書類が必要になります。こういった書類を全て手作業で作ったり、郵送していたりすると大変な手間になります。
ここではそういった業務を効率化してくれるクラウドサービスを3つご紹介します。各種書類の作成を楽にしてくれたり、紙の書類を郵送してくれる機能を備えているサービスもあります。
クラウドサイン
» クラウドサイン|Web完結・印紙税0円の電子契約サービス
概要
クラウドサインは、ペーパーレスで契約が結べるサービスです。
契約書を作るのは手間ですし、それを郵送でやり取りしたり、保管しておくのは面倒なもの。クラウドサインではそういった面倒な作業をクラウド上で行うことができるので、経費の節約だけでなく業務の効率化ができるのです。
プランは3種類用意されていて、個人事業主に向けのFreeプラン、企業向けのStandardプラン、企業向けの特別版であるEnterpriseプランがあります。
契約書は機密性の高い書類なので、セキュリティ面が気になるところです。クラウドサインではもちろんセキュリティ対策はしっかりと行われていて、SSL暗号化(2048bit)が導入されています。
主な機能
クラウドサインを使う時の流れを見てみましょう。
はじめに、作成した契約書をクラウドサインにアップロードして、押印や署名の箇所を指定します。取引先へ確認依頼を出したのち、契約の締結へと進みます。
こういった作業が全てクラウド上で行えることが、クラウドサインの最大の特徴です。書類を相手方に郵送したり、プリントアウトして保存しておく必要もありません。
もう一つ。クラウドサインがいいところとして、相手方がアカウントを持っている必要がないことがあげられます。
契約書へのリンクがメールで送られてきたら、本文のリンクをクリックするだけで契約書の閲覧、締結ができるのです。
相手方に負担を強いることなく使えることも、クラウドサインの大きなメリットと言えるでしょう。
Misoca
概要
Misoca(ミソカ)は、請求書の作成や管理のできるクラウドサービスです。
請求書の作成や管理は、手間のかかる業務の一つです。Misocaには請求書まわりの便利な機能がたくさん備わっているので、日ごろ時間のかかっていた業務を効率化することができるでしょう。
主な機能
Misocaの機能としてまずあげられるのが、請求書の作成機能です。作成した請求書はテンプレートとして、以降の請求書作成に利用することも可能です。繰り返し発行する請求書については、「自動作成機能」で自動作成させることも可能です。
Misocaのすごいところは、PDFでダウンロードして終わりではないところ。なんと紙の請求書として、取引先に送付するところまでカバーされているのです。もちろん料金は発生するのですが、それに見合うメリットがあります。
請求書から納品書、領収書などのドキュメントに変換することもできますし、freeeや弥生会計などの会計ソフトに連携させることも可能です。
MakeLeaps
概要
MakeLeapsは、見積書や納品書、請求書などの書類が作成できるクラウドサービスです。
上でご紹介したMisocaと同様、この種のクラウドサービスの中では大手とも言えます。サービスがローンチしたのは2011年と、比較的歴史も長いです。サービスとしての信頼度もあると言えるでしょう。
主な機能
見積書が作成できるMisocaと比べると少し料金は高いのですが、その分だけ機能は豊富です。
代表的な機能を列挙してみましょう。Misocaにもある自動作成機能のほか、郵送サービス、商品一覧、エクスポート機能(Excel、CSV)、Salesforce連携などがあります。
上で取り上げたクラウドメモサービス、Evernoteとの連携も可能です。MakeLeapsで作成した見積書や請求書を、自動でEvernoteに保存していけるので便利です。
また、企業向けのオプションも充実しています。例えば、作業記録が管理できる「作業時間管理」機能。SAPやOracleへのシステム連携の支援オプション。また、MakeLeapsの研修やサービスの導入時に活用したい「導入サポート」オプションもあります。
その他(コミュニケーション、タスク管理など)
最後に、コミュニケーションやタスク管理、プロジェクト管理に使えるクラウドサービスを3つご紹介します。
開発業務には欠くことのできない機能ばかりです。制作内容やプロジェクトの形式に合わせて、最適なサービスを使っていきましょう。
なおプロジェクト管理のツールについては、下の記事でも解説しています。
チャットワーク
» チャットワーク
概要
コミュニケーションツールのチャットワークです。
Web制作はさまざまなスキルを持ったチームメンバーで構成されるものですが、対面でのコミュニケーションに加えてチャットなどのツールは欠かせません。日ごろのコミュニケーションに使うだけでなく、タスク管理やドキュメントのやり取りも必要でしょう。
チャットワークはこういった数あるコミュニケーションツールの中にあって、代表的とも言える存在です。国産のサービスで、国内を中心に導入企業も多数あります。
無料で使いはじめることはできますが、機能に制限のない有料のプランもあります。記事執筆時点での料金プランを表にまとめておきますので、プラン選びの参考にしていただければと思います。
プラン | 料金(月額) | 機能 | |||
---|---|---|---|---|---|
コンタクト数 | グループチャット数 | ビデオ通話 | ストレージ | ||
フリー | 無料 | 無制限 | 14 | 1対1 | 5GB |
パーソナル | 400円/ユーザー | 無制限 | 無制限 | 複数人 | 10GB |
ビジネス | 500円/ユーザー | 無制限 | 無制限 | 複数人 | 10GB/ユーザー |
エンタープライズ | 800円/ユーザー | 無制限 | 無制限 | 複数人 | 10GB/ユーザー |
主な機能
チャットワークはビジネス現場にチャットを導入してくれるサービスです。それだけではなく、いくつかの便利な機能が備わっています。代表的な機能を順に見ていきましょう。
まずは何と言っても、チャット機能があげられます。1対1でのチャットだけでなく、グループチャット機能も備えています。チャットを使うとスピーディにやり取りができますし、引用やリプライなどの基本機能もしっかりと備えています。
次に、ファイルの共有機能があがられます。WordやExcel、PowerPointなどのドキュメントや画像などのファイルを、チャット上で素早く共有することができます。ドラッグアンドドロップをすればすぐにアップロードできるので、使い方も直感的で簡単ですね。
なお、共有したファイルは一覧形式で見ることもできます。ファイルの検索もできますし、簡単なファイル管理もまかせられます。
Backlog
» オンライン プロジェクト管理 & コラボレーションツール Backlog
概要
Backlog(バックログ)はクラウド型のプロジェクト管理サービスです。
クラウドのメリットのところで述べたように、そもそもクラウドはチームで行う業務に向いています。プロジェクト管理やスケジュール管理などの機能と相性も良いのです。
ストレージ容量やプロジェクト数、ユーザー数によってプランが分かれていて、最も価格の安いプランは月額2,000円からのスタータープランです。30日間のトライアルも提供されています。
主な機能
Backlogの主な機能について見ていきましょう。
総合的にプロジェクト管理が行えるサービスということもあって、使える機能は幅広いです。まずはガントチャート機能から。チームで行うべきタスクをチャート形式で作成して、見える化することができます。
次にバージョン管理機能があげられます。Web制作などの開発業務では、バージョン管理は欠かせない機能の一つでしょう。BacklogではGitやSubversionなどが利用できます。
その他にも、ファイル管理・共有やウィキ作成などの便利な機能が備わっています。
Trello
» Trello
概要
Trello(トレロ)はタスク管理に特化したクラウドサービスです。
Webページの制作は、要件定義からラフデザインの制作、デザイン、コーディング、テストなど複数のステップから構成されています。制作業務を円滑に進めるには、こういった各ステップで行うべきタスクを管理していく必要があります。
カンバン方式のできるTrelloは、そういった点では開発業務には最適です。各工程でのタスク管理、進捗管理に加えて、工程間でのコミュニケーションも捗るからです。
主な機能
Trelloでは、一つ一つのタスクをカードに書いて管理をします。カードはそのジャンルや状態(進行中、完了、アーカイブなど)によってリストに分けられ、複数のリストがまとまって一つのプロジェクトとなっています。
Trelloがタスク管理におすすめの理由として、柔軟にタスク管理ができることや、プロジェクトのタスクが視覚的に俯瞰できることがあげられます。
各タスクはドラッグアンドドロップで直感的に移動できますし、素早くタスク管理ができるようになるでしょう。
さらに、各カードにはさまざまな属性が付けられます。詳細文を記載したり、担当者(メンバー)を指定することもできます。チェックリストも付けられますし、ラベルを貼ってタスクの優先度を示すことも可能です。
あとがき
Web制作で役立つクラウドサービスを13個とり上げてご紹介しました。ほとんどが大手のツールでしたが、ご存じのないツールもあったのではないでしょうか。
エンジニアやデザイナーに限らず、Web制作に携わる非エンジニアの方にもオススメなツールも多々あります。クラウドツールを活用して、日ごろの業務を効率化していきましょう!