「ドメインやURLの決め方がSEO対策や集客に左右するのは本当?」
「長いURLはデメリットがあると聞いたが、正しい決め方がわからない」
普段何気なく見ているWEBページを指定するURL(ホームページアドレスとも呼ばれる)ですが、インターネット集客を考えるのであれば、実はかなり重要なポイントです。
無計画に設計したURLは、集客やアクセス数を減らしてしまう可能性があるからです。
結論から申し上げますと、【WEBサイトのURLはできる限りシンプル、かつURLを見ただけでWEBページ内容がわかるもの】になっているのがベストです。
■URLを構成しているものは主に3つ
URLを分解してみると、主に3つの要素で構成されています。
皆さまが取得されたドメイン、サーバー内のフォルダの位置を表すディレクトリ、ページを指定するファイル名です。
1.ドメイン
2.ディレクトリ
3.ファイル名
ドメインはレンタルサーバーとセットで取得・契約することが多いと思います。
ドメインについては社内、チーム内で協議して決定している方々がほとんどだと思います。
全くのランダムな英数字を並べた無意味なドメインをわざわざ取っている方はいないでしょう。
重要なポイントは、ディレクトリ、ファイル名をどうやって決めているかということです。
WordPressなどCMSを使っていると、CMSにお任せして自動生成することも可能です。
しかし、↑上記URLのようにプログラムによって自動的に設定されたURLは、意味を持たないことが多く、このURLだけ見てもどんなページか具体的な想像ができません。また、URL内にディレクトリが2つ並んでいますが、URLだけを見てもそれぞれのディレクトリの違いがわからないため、なぜ2階層(2つディレクトリが並ぶ)なのかも見た目からわかりません。
URLだけを見てどんなページかわかるようにするならば、このように自動生成されたURLは避けたほうが良いことがわかります。リンクをひと目見て何を書いているページかわかるようなURL設定をしていきましょう。表示されるページは同じであっても、長い目で見ると結果が変わってきます。
今回の記事では、そのように設定する理由と、オススメのURL、設定ルール化のコツなどについてピックアップしていきます。
1.わかりやすくシンプルなURLをオススメする理由2つ
理由を2つに分けてご説明します。
■1つ目の理由は、目で見たときの安心感、信頼感を創出するためです。
つまり、どこかに貼られたリンクを見たときに、安心してリンクを踏んでそのページへいらっしゃってくれるようにするためです。
ページの内容とURLが意味するものが合っていると安心してリンクを踏めます。
URLが長かった場合はどうでしょう。
下の2つのURLを比べてみてください。
▶https://www.AAAA.com/index.php?id_sezione=360c&sid=3a5ebc944f41daa6f849ba730f1
▶https://www.AAAA.com/product/about.html
結果的に同じページに飛ぶとはいえ、どちらがクリックしやすいでしょうか。
やはり機械的に生成されたと肌で感じられるURLは少し躊躇してしまいますね。SNSやメールに貼られていても2行、3行に渡っていたり短縮されて全体が見えないURLはちょっと気になってしまいませんか?
データベースを利用しているなど、どうしてもIDがURLに入ってしまってシンプルなURLを設定することが難しい場合もあります。しかしできるだけ不要なパラメータを削除するなど、シンプルなURLにならないか設計してみましょう。
Googleに対処法が載っていますので、現実的にどうしても長くなってしまうURLであっても対応策を講じることは可能です。ただ専門的な設定が必要になってくるため、実装するにはシステム担当の方に相談するか、WEB制作会社さんに対応してもらうことをオススメします。
■2つ目の理由は、GoogleがシンプルなURLを推奨しているためです。
サイトの URL 構造はできる限りシンプルにします。論理的かつ人間が理解できる方法で(可能な場合は ID ではなく意味のある単語を使用して)URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。
できる限り目で見て内容がわかるようなURLにすること、との記述があります。これはGoogleがSEO対策として書いているページなので、インターネットで集客を行いたいのであれば実践するほかありません。
- 目で見て内容が理解できるURLにする
- アンダーバーより、ハイフンを使う
- 問題が起こりやすいパラメータを止める
- 可能な限り不要なパラメータは使わずシンプルに
など多くのアドバイスが書かれています。
基本的にはこのアドバイスに沿って実践していくのですが、設定等でどうしたらよいのか迷ってしまうこともあると思います。
URLの設定、構成に関して、知っておくと便利なポイントやコツを次項よりまとめていきます。
2.わかりやすいURLにするための【ディレクトリ(フォルダ)名の決め方】
WEBサイトでいう”カテゴリー”に当たります。
キーワード(=英単語)1つで構成するのがベストです。
まず、どんなコンテンツをWEBサイト内につくるか計画します。
そしてつくりたいページをグループに分け、その次に階層を考えます。
フォルダの下層には、どんなフォルダやページが入ってくるのか?
それぞれはどれくらいの分量があって、階層の細分化はどこまで必要なのか?
複雑なコンテンツの場合は、頭の中だけでは整理できないため、できれば付箋などに書き出し、それを目で見ながらグループにしていくとイメージが湧いてきます。
○グループの細分化やネーミングに迷ってしまったら
同業種のポータルサイトやニュースサイトをチェック。
絞り込みの機能がありますので、どういう分け方をしているか参考にさせていただきます。
ポータルサイトなどは全体のページ数が多いため、フォルダも非常に細分化されています。ただ、それが皆さまのWEBサイトに当てはめたときに細かすぎないか?を考えることが非常に重要なポイントです。
できる限り階層は浅くしたほうがURLは短くなります。
つまり細分化させすぎると、それはURLが長くなることとセットなので注意が必要です。ただ、今後WEBページが多くなるのであればディレクトリは細かくしておいたほうが後々管理がしやすくなります。
制作ページをグルーピングすることになるため、WEBサイト全体のコンテンツ設計ができていないと、ディレクトリ名や階層(=URLの長さ)は決められません。
URLの決定はコンテンツ設計と同じ流れの中にあります。
特にディレクトリ階層を決めるのは、思っている以上に労力がかかります。ただ、全体計画をもう一度見直すよいタイミングでもあります。充実したコンテンツのためにも、URLの決定には力を使ってみてください。
3.わかりやすいURLにするための【ファイル(ページ)名の決め方】
ページごとに割り当てるファイル名は、ディレクトリ名の決定に比べ、簡単です。そのページに書いている内容をキーワード2個〜3個で表現し、ハイフンでつなげます。
キーワード抽出には専用ツールを使うと便利です。
ページ内を解析して上位に来るキーワード(よく使っているキーワード=そのページ内で伝えたいこと)をファイル名に使用します。
○オススメツール:キーワード抽出ツール
専門用語(キーワード)自動抽出サービス「言選Web」
http://gensen.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gensenweb.html
文章をベタ貼りすることもできますし、URLやPDFからキーワードを抽出することもできます。
過去記事:アンカーテキストのSEO対策的作り方と改善例からは、「アンカーテキスト/ページWEBサイト/SEO対策/リンク」などのワードが出てきました。まさしくこの記事で言いたかった内容をピックアップしてくれていると感じます。この抽出されたキーワードを2個〜3個組み合わせて英語に訳し、ファイル名とします。
○日本語がNGの理由
ファイル名はブログやお知らせのタイトルを日本語のまま付けるWEBサイトも増えています。それでもブラウザで表示され、検索エンジンでも不利になることはないため大きな問題はありません。
しかし実は日本語に見えているところは半角アルファベット等で置き換えられているので、リンクをどこかに貼ったときは意味のないアルファベットが羅列されたような長いURLになります。また、URLが自動認識されリンクになるサービスを使っても日本語として理解されるため全体がリンクにならない、長すぎて途中で途切れリンクにならないなどの問題が起こることもあります。
▶https://www.AAAA.com/product/サービスの基本.html
▶https://www.AAAA.com/product/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC
↑このURLは同じページを指しています。
日本語のURLは実際にはこれくらい長い文字列で表されています。
日本語URLは日本人には”わかりやすい”ため採用するケースもありますが、さまざまな場面で”わかりづらい、不便”なURLになってしまうので、英単語にすることをオススメします。
4.長いURLを短くわかりやすくする方法【リダイレクト】
データベースを使っている、トラッキング用のコードを入れたい、など場合によってどうしても長いURLができてしまうことがあります。
また、すでに日本語のURLを設定して運用を始められていて、今から過去のページのURLを変更するのは運用上難しいケースなどもあると思います。
でも長いURLのままでは字数制限がある場所にリンクを貼ることが難しかったり、途中で切れてエラーが出たり、信頼性がないので集客面に不安があったりなど運営面で課題となることもしばしばです。
そんなときは、エラーや不信感回避のため【リダイレクト】の機能を使います。
リダイレクトとは、自動的に転送してページを経由し、ページをつないでいく仕組みのことを指します。
リダイレクトがよく使われるのは、WEBサイトが引っ越したとき。リンクが切れないよう、旧アドレスから新アドレスへリダイレクト機能で自動で転送します。皆さんも一度は経験したことがあると思います。
このリダイレクトを使えば、目に見えるURLをわかりやすくシンプルにできます。
○.htaccessファイルでリダイレクトする
リダイレクトには「.htaccess」というWEBサーバー内で使う特殊なファイルを用います。
※この「.htaccess」ファイルは特別なソフトや環境がなくても作れますが、WEBサーバー(レンタルサーバー)によっては設置が認められていないことも。活用を考えられる場合は、まずサーバー管理会社に確認を取ってください。
■htaccessファイルを使った転送設定
①メモ帳やワードパットなどのテキストエディタと呼ばれるソフト(アプリ)で「.htaccess」という名前のファイルを作ります。拡張子はなく、「.htaccess」という名前だけでOKです。
②ファイル内に以下の記述をします。
Redirect アクセス元 転送先
ブラウザでアクセス元(わかりやすく付けたURL)にアクセスすると、転送先(長く生成された元々のURL)に転送されます。
1行1件のルールを守れば、何件でも下にズラズラとつなげて書くことができます。
この「.htaccess」を活用すれば、日本語のファイル名を付けてしまったり、広告のIDなどが入ってしまったりして長くなってしまったURLも、短くわかりやすいURLへ変えることができます。
WEBサイトの運用途中でURLを変えたくなった場合には、このような機能を使ってエラーや不信感の回避をするのも一つの方法です。
まとめ
データベースを使うためどうしてもURLが長くなる場合なども、Googleには長いURLを回避する方法が掲載されていますし、運用途中でもリダイレクト機能を使えばURLを変えることができます。できるだけシンプルでわかりやすいURLにならないか、と方法を模索していくことが大切です。
WEBサイトの制作はデザインや文章をどうするかだけでなく、どんなコンテンツを作り、それらをどんなURLで見せるかといった設計も必要です。もしこれから新しいディレクトリを作る、新しいWEBサイトを運用するという方々は、短くわかりやすいURL設計を実践してみてください。