エンジニアにとって、テキストエディタは必須ツールの一つです。テキストエディタも千差万別なのですが、自分に合ったテキストエディタを見つけることが大切です。プログラミングの効率化につながりますし、チームでの開発をスムーズに行うこともできます。
本記事では、Web制作で使えるテキストエディタについてまとめました。取り上げたエディタはどれも便利で、カスタマイズがし易いものです。とはいえ、機能や操作性はそれぞれ。自分に合ったテキストエディタを使って、プログラミングを効率化していきましょう。
Web制作で使えるテキストエディタ3選
それでは早速、Web制作に活用できるテキストエディタを3つご紹介していきます。
Atom(Mac/Windows/Linux)
Atomは、GitHubが開発したオープンソースのテキストエディタです。2014年にベータ版が、2015年6月にバージョン1.0がリリースされたばかりのまだ新しいソフトです。ただテキストエディタとしての性能やGitHubが開発元という信頼感もあって、Web業界を中心に一気にユーザー数を増やしています。GitHubが作っていることもあり、当然ながらGitやGitHubとの連携もし易くできています。
AtomはWeb系の開発に向いているテキストエディタです。というのも、AtomはGoogle ChromeのベースとなったChromiumをベースにしてつくられているのです。Chromeユーザーにはお馴染みのDeveloper Toolsも使えますし、マークアップをリアルタイムビューで確認することも可能です。
Atomの特徴としてもう一つあげるなら、カスタマイズ性の高さがあります。例えば、機能追加のできるパッケージも豊富です。記事執筆時点で4,000を超えるパッケージが公開されていて、自分の使い方に合ったプログラミング環境を整えることができるでしょう。パッケージはAtom内のメニュー(「Preferences」の「Packages」メニュー)からも探せますし、下記の公式サイトからも検索可能です。
Sublime Textで人気のミニマップなどの機能も、パッケージで追加することができます。このため、Atomユーザーの中にはSublime Textから鞍替えしてきたユーザーも多いです。
メリットだけ書いてきましたが、Atomの良くないところについても書いておきます。よく言われるのが、メモリを多めに使ってしまうところ。複数のツールを同時に立ち上げる方にとっては、少し使うのがためらわれるかもしれません。もちろんAtomは無料で使えますから、まずは実際に使ってみてください。
Sublime Text(Mac/Windows/Linux)
Sublime Text: The text editor you’ll fall in love with
「恋に落ちるテキストエディタ(The text editor you’ll fall in love with)」との副題がつけられている、大人気のテキストエディタです。Atomが登場する前は、高機能なテキストエディタを使うならSublime Textのほぼ一択だったのではないのでしょうか?現在は、Atomと人気を二分しているような状況です。
Sublime Textの特徴として、カスタマイズ性の高さと使い勝手の良さがあげられます。Sublime Textはそのままでも相当便利なソフトなのですが、Atom同様に多数のパッケージが提供されています。パッケージの管理(検索や追加、削除など)も、Sublime Text内のパッケージコントロールから簡単に行うことができます。
Sublime TextはUIも人気なのですが、見た目が良いだけでなくプログラミングを効率化してくれるビジュアルも備わっています。例えば、Atomのところでも取り上げたミニマップ機能や、任意のシンタックスをハイライトすることも可能です。
Sublime Textは、ダウンロードとトライアルでの使用は無料です。ただし、継続的な利用をするのであれば$70のライセンスを購入する必要があります。
Coda(Mac)
Mac専用のテキストエディタ、Codaです。Web開発に特化している、とても便利なエディタです。
シンタックスのカラーリングや自動補完などの基本的な機能のほか、FTP機能も備えています。GitやSubversionなどのバージョン管理サービスとの連携ができます。Webインスペクタやデバッガなどを備えた、Webkitのプレビュー機能も使えます。
またプラグインも使えるので、手軽にカスタマイズすることも可能です。コードの入力が素早くできるEmmetのプラグインや、CSSライブラリのFoundationが使えるプラグインなど、さまざまな機能が追加できます。
Codaの購入は、公式サイトもしくはApp Storeから行います(税込9,800円)。AtomやVimなど、他のテキストエディタが無料で使えることと比較するとコストはかかりますが、それに見合うだけの価値は得られます。
番外編
ここまではパソコンにインストールするタイプのソフトについて見てきましたが、最近ではブラウザから使えるテキストエディタも増えてきました。クラウド上にコードを保存しておくこともできるので、場所や端末を選ばずに開発を行っていくことができます。ブラウザから使えるプログラミングサービスを、番外編としてご紹介しますね。
Cloud9
Cloud9 – Your development environment, in the cloud
Cloud9は、ブラウザからプログラミングなどのシステム開発ができるツールです。テキストエディタとしての機能だけでなく、データベースを含む開発環境まで使うことができます。場所を選ばずにWeb開発ができますし、プログラム(ワークスペース)を複数人で共有することも可能です。
Cloud9で利用できるのは、Ruby on RailsやPHP、Django、HTML5などのほか、WordPressの開発も可能です。無料プランの場合は、1つのプライベートワークスペースのみ利用可能です。
Nitrous
Nitrouxもブラウザから使える、クラウド型のIDEサービスです。テキストエディタを含む、さまざまな機能が備わっています。GitHubやDockerなどのツールも使用可能です。
NitrousもCloud9と同じく、さまざまな言語を使うことができます。Ruby on RailsやPHP、Python、Node.js、WordPressなどが利用可能です。無料プランでは、2つまでプロジェクトを使用することができます。
あとがき
Web制作で使えるテキストエディタについてご紹介しました。テキストエディタは簡単に鞍替えができるので、いろいろと使いながら自分に合っているものを探すこともできます。
ご紹介した以外にも、DreamweaverやEclipseなどのIDE、サクラエディタや秀丸などの万能エディタもあります。自分に合っているテキストエディタを見つけて、快適にWeb制作を行っていきたいですね。