皆さま、こんにちは。
WEBサイト上で訪問者様にクチコミや写真などを投稿していただき、1つのコンテンツとしていく「ユーザー投稿型のコンテンツ」をUGC(=User Generated Content)と呼びます。
UGCは、そこに投稿者同士で交流が生まれるため、コミュニケーションの一つといえます。また、運営者側からすると自動的にコンテンツが増えるのでSEO対策にもなる側面があります。InstagramやTwitterなどのSNSもUGCの中に含まれます。
ユーザー側も各種SNSの発展によって投稿することに慣れてきたため、さまざまなジャンルのWEBサイトで投稿型のコンテンツが導入されたり、導入の模索がなされたりしています。WEBサイトのすべてが投稿型で成り立つ場合もありますし、商品に対するレビュー、スポットに対する評価など一部で導入される場合もあります。
メディア型のWEBサイトのようにユーザーの投稿でページが増えるだけでなく、それぞれが交流する機能(例えばフォローやいいねなど)も付いていて、WEBサイト丸ごとが投稿で作られているサイトもたくさんありますね。
そこで今回はユーザー投稿型のコンテンツを既存のWEBサイトへ手軽に実装する3つのパターンについてご紹介します。プログラムをオリジナルで組まなければならないようなものではなく、既存のサービスを使うものとWordPressに備わった機能を使うパターンをピックアップします。
■投稿型コンテンツを作る上で気を付ける点
ユーザーのオリジナルコンテンツや自社商品に対するレビューを集めるには問題がありませんが、例えば曲やイラストなど著作権に関わるようなものが投稿される可能性があれば注意が必要です。
知的財産についてはいろいろと問題になることもありますので、内閣府も調査して資料を出してくれています。それぞれのWEBサイトがどんな規約をつくっているかやガイドラインの例などが載っていますので、一度プランを立てる前にお目通しされると将来的にトラブルを防げるかもしれません。
それではUGCとなるコンテンツを作成する方法の3パターンを1つずつご紹介していきます。
1.既存サービスを使う
既存の掲示板サービスがあるので、それらを使うと大きな設定等も必要なく、無料で投稿型システムを作ることができます。ただ、ご自身のWEBサイト内にコンテンツを追加するわけではないため、SEO対策のメリットはありません。
しかし専門知識なくユーザーからの情報を集められるため、地域情報を集めたり、自社サービスへの意見やレビューを集めたりするには便利です。
■SHARE info
https://theshare.info
掲示板、Q&A、ユーザーフォーラム、コミュニティなどが作れるサービスです。無料プランからあります。クラウドサービスのため登録すれば利用できます。
■WIXオンラインフォーラム
https://ja.wix.com/website/templates/html/communities/online-forum
WIXのホームページ作成機能を使います。ユーザー投稿型のWEBサイト用テンプレートがあるので、ご自身がイメージするものを選んで画像などを入れ替えるだけで使い始めることができます。テンプレートの種類と、付属する機能が多いのが魅力で、それぞれの記事へのコメントやいいね、フォローなどSNS的な機能が揃っています。
どちらも簡単にスタートできるため便利なサービスですが、外部サービスを使うので直接SEO対策にはならない点がデメリットです。とはいえ誰でも使えるよう考えられた便利なサービスなので、手間をかけられないときや、期間限定で情報だけ集めたいとき、そもそも自社ホームページがないなどのときには適していると思います。
2.WordPressのプラグインを使う
ご自身のWEBサイトに直接投稿を集めたいときは、WordPressで構築されたWEBサイトなら公式プラグインがたくさん用意されています。パターンの違う投稿が集められる5つのプラグインをご紹介します。
■WP Customer Reviews
商品ページ等にクチコミ・レビューを集めたいときには、「WP Customer Reviews」が使えます。オープンソースプロジェクトのため完全無料です。星を5つまで表示し、コメントを残してもらえる機能があります。
日本語化されていませんが、利用者が多いので検索すると使い方やカスタマイズ方法が見つかります。
投稿フォームも必要なページにすぐ挿入できます。一般的なメールフォームの形でテンプレート化されているので、ユーザーにとっても親しみやすい=とっつき易く投稿が集まりやすいと思います。
■WP-Polls
アンケートや投票を受け付けるコンテンツをサイドバーや記事下に設置するプラグインが「WP-Polls」です。自動集計して公開できるので、気軽に評価や意見を集めることができます。
当サイトの過去記事:アンケート・投票の設置と自動集計プラグイン「WP-Polls」のメリット・デメリットと効果的な使い方のススメに詳細な使い方を書いていますので具体的な使い方を確認したい方は閲覧いただけますと幸いです。
■bbPress
フォーラムのように意見を集めたいときは掲示板プラグイン「bbPress」でWEBサイト内に掲示板を設置しましょう。
WordPressの投稿画面と同じような画面から制御できますし、日本語化されているので(インストールするとメニュー等は日本語になります)初めて触る方でも設定のハードルは低いと思います。
初期デザインはシンプルですが、ページの上部に説明文や画像を入れたり、ユーザーごとのアイコンを入れたりしてビジュアルを充実させていけます。利用者がとても多いので、検索によってカスタマイズ方法や丁寧な解説も多く見つけられるのがポイントです。
■wpForo フォーラム
こちらも掲示板プラグインである「wpForoフォーラム」は、ユーザーが画像を投稿できる機能が付いているほか、レイアウトが4種類ありクリックで切り替えられます。デザイン性が少し高いので、少し色合いやレイアウトを触りたい方にはピッタリです。
公式ページの解説やデモもわかりやすいです。
エンジニアのフォーラムなどでも使われているので、ユーザーの投稿にユーザーが答えるようなスタイルで運用したい(Yahoo!知恵袋のような)ときはこのプラグインが向いていると思います。
■AnsPress – Question and answer
Q&Aコンテンツに特化しているプラグインが「AnsPress – Question and answer」です。老舗プラグインですが更新もされており、利用者も多くいます。オープンソースで開発されたプラグインです。
メールでの通知機能や管理者にのみ投稿する機能、ベストアンサー機能など盛りだくさんで、幅広い使い方ができます。
ただ多機能ですがデザインはかなりシンプルなので、ユーザーの投稿を広く集めたいのであれば少しスタイルシートを触ってビジュアル面の手入れは必要かもしれません。しっかり運用するとなれば一度デザイナー、コーダーへの相談がベストです。
ここまで5つのプラグインをご紹介しましたが、プラグインを主とせず、WordPressの投稿機能を使うパターンもあります。例えばコメントのような形ではなく写真や文章がしっかりした記事を投稿してもらうような場合は、WordPressに備わっている投稿機能を活用するほうが便利だと思います。
3.WordPressの投稿機能を使う
WordPressには複数人が投稿できる仕組みが元々備わっています。その機能を活用し、WEBサイトを訪問したそれぞれがWordPressに投稿者としてユーザー登録し、記事を書くというスタイルを作ることができます。
管理画面にログインせず、公開されたWEBページから情報を入力してもらいます。投稿機能は元々WordPress内にありますが、この投稿用フォームだけは新たに作成しなければならないので、お付き合いのあるWEB制作会社、コーディング対応の会社等にご相談がベストだと思います。
ユーザーが情報を投稿すると、WordPressのデータベースに入り、管理画面から確認できます。どんな内容が投稿されるか心配というときは管理者が一度見てから公開する仕組みにすれば、内容チェックも可能です。
新しくプログラムを書かずとも、投稿機能をユーザーにも使っていただくこと最低限の作業量で済ませることができます。データベースにも残りますからバックアップ、再現も可能です。WordPressをご利用の方は少し専門知識が必要ではありますが、この形もご検討ください。
まとめ
情報が集まるWEBサイトに成長させられれば管理者様の財産となります。パターンによってそれぞれに一長一短がありますが、大きなコストを使わなくても可能ですので、できるところからまず導入してみるのはいかがでしょうか。
クチコミや評価が集まると訪問者様からの信頼感も高まりますので、将来的にはさまざまな好影響が出てくるはずです。