システム開発ではさまざまなツールを使いますが、その中でも日常的に使われるのがFTPソフトです。エンジニアだけでなく、非エンジニアであってもぜひとも使いこなしたいソフトです。
本稿ではおすすめのFTPソフトについてまとめてご紹介しています。対応OSや機能など、それぞれの特徴についても併せてご紹介しています。FTPソフト選びの参考にしていただければと思います。
WinSCP(Windows)
概要
その名の通り、「WinSCP」はWindows専用のFTPソフトです。オープンソースのため無料で使えるのですが、機能は豊富。WindowsでFTPソフトを探す時に、真っ先に候補に挙がるソフトの一つでしょう。
主な特徴
まずは操作画面から。「WinSCP」はシンプルな2ペインのUIを採用しています。それぞれローカルとリモートになっていて、対象のファイルやフォルダをドラッグアンドドロップすることで簡単に操作ができます。直感的に使えるので、FTPに慣れていない方でもすぐに操作に馴染むことができるでしょう。
また、ファイルやフォルダの操作も「WinSCP」から行うことができます。ファイルのアップロード/ダウンロードは当然ですが、ファイル/フォルダ名の変更や新規フォルダの作成、シンボリックリンクの利用も可能です。
FTPをする時の課題として、セキュリティがあげられます。「WinSCP」はこの点も考慮されていて、FTPの他にFTPS(FTP over TLS/SSL)やSFTP(SSH File Transfer Protocol)などのプロトコルも利用できます。マスターパスワード機能も備わっています。
FFFTP(Windows)
概要
「FFFTP」もFTPソフトとしては非常に有名です。無料でダウンロード、利用することができます。日本製のソフトなので、日本語で使えることも嬉しいですね。なお、「FFFTP」はWindows専用のFTPソフトです。
主な特徴
他のFTPソフトと同様に、「FFFTP」も2ペインのユーザーインターフェースを採用しています。片方がローカルで、もう片方がリモートとなっています。「WinSCP」と同じように、ドラッグアンドドロップでファイルのアップロード/ダウンロードができます。
FFFTPは転送する際のオプションも充実しています。転送するファイルの属性を指定しておいたり、逆に転送をさせないファイル/フォルダを指定しておくことも可能です。うっかり関係のないファイルをアップロードしてしまうなど、人的ミスを減らすことができるでしょう。
その他にも、ローカルとリモートサーバを同期するミラーリング機能や漢字コードの自動変換、マスターパスワード機能などの便利な機能が備わっています。
FileZilla(Windows、Mac、Linux)
» FileZilla JP Info Project Top Page – OSDN
概要
「FileZilla」はオープンソースのFTPクライアントソフトです。クロスプラットフォームなので、Windows版の他にもMac版とLinux版もリリースされています。
主な特徴
2ペインのユーザーインターフェースを採用しているので、「WinSCP」や「FFFTP」と同じく操作に戸惑うことは少ないでしょう。
「FileZilla」ならではの機能としては、ファイル/フォルダ一覧がツリー構造で表示されることがあげられます。画面の情報量が増えるので好き嫌いが分かれそうですが、ツリー構造に慣れている方にとっては使いやすい画面構成と言えるでしょう。
大容量のファイル転送にも強く、アップロード/ダウンロードを行うファイル数が多い時は「FileZilla」が強みを発揮してくれることでしょう。
転送形式については、FTPとSFTP(SSH File Transfer Protocol)、FTPS(FTP over TLS/SSL)に対応しています。「WinSCP」や「FFFTP」とは違い、マスターパスワード機能は備わっていません。
Cyberduck(Windows、Mac)
» Cyberduck | Libre FTP, SFTP, WebDAV, S3, Backblaze B2 & OpenStack Swift browser for Mac and Windows
概要
Windowsだけでなく、Macでも使えるFTPクライアントソフトです。公式サイトからは無料版のダウンロードができますが、Mac App Storeから有料版(¥2,900)を購入することもできます。
主な特徴
Cyberduckは非常にシンプルな画面構成となっています。上で取り上げてきたソフトは2ペインのユーザーインターフェースでしたが、Cyberduckにはリモートしか表示されていません。デザインが洗練されていることもあり、その点からも評価されているソフトです。
ドラッグアンドドロップで直感的に使えるところは、他のFTPソフトと同じですね。FTPやSFTP(SSH File Transfer Protocol)、WebDAV、Amazon S3、Google Drive、Dropboxなどの転送方式に対応しています。
Transmit 4(Mac)
» パニック – Transmit – Mac OS X FTP + SFTP + S3 アプリケーションの完成形
概要
「Transmit 4」は、Mac用のFTPクライアントソフトです。Mac専用に作られているだけあって、操作画面もわかりやすく作られています。有料のソフトで、公式サイトでは1ライセンス¥3,400(税込)で販売されています。
主な特徴
他の多くのFTPソフトと同様、2ペインの画面デザインを採用しています。対応している転送方式は、FTPやSFTP(SSH File Transfer Protocol)、WebDAV、Amazon S3など。
お気に入りのサーバをFinderにマウントしておける、ディスク機能も便利です。「Transmit 4」を起動することなく、素早くファイルを転送することができます。
あとがき
おすすめのFTPソフトを5つ選んでご紹介しました。頻繁に利用するからこそ、少しでも使いやすいものを選びたいところ。開発内容や案件に合わせて、最適なFTPソフトを使っていってくださいね。