「会社のブログを持ち回りで書くが、気をつけなければならないことは何か」
「1つのWEBサイトに複数人がログインするリスクにはどんなものがあるか」
WEBサイトも効果的に成果を出していくとするなら、継続的な更新が重要といわれるようになりました。情報を定期的に発信し、”生きたホームページ”にしなければ成果が半減する…とまでいわれることもあります。
ただ、通販を主な生業とするか、かなり規模の大きな企業以外はWEB担当者がおらず、他の仕事と兼務となっていると思います。
そのため、ブログはその業務の担当者がそれぞれにログインして書いているという運営方法が多いはずです。
しかし、実は複数人でブログを書くには気をつけたほうがいいことがあり、それだけでなく通常の設定のままだとリスクとなることがあります。
今回はWordPressで構築されたブログを前提に、そのリスクを回避できるWordPressプラグインを4つご紹介しながら、複数人でも安心して快適にブログ運営する方法についても解説していきます。
1.非公開記事がブラウザで見える「Public Post Preview」
執筆担当者が書いた記事を公開前に社内チェックしたいときに便利なプラグインが「Public Post Preview」です。
通常はログインしていないと見えない[下書き][予約投稿]の記事を、ログインしていない第三者も生成されるURLを共有することでブラウザ上で確認できます。
インストール、有効化すると記事の公開・下書きをチェックする欄に[Enable public preview]という項目が出来、下書きチェック用のURLが生成されます。
ブログ記事の信頼性を高めるためにも、できれば公開後の修正は避けたいもの。
事前に記事をチェックし、誤字脱字も含めてグループで確認すれば安心です。
◯注意点
このプラグインをWordPressのバージョン5.2.2で利用するときですが、エディターを「classic editor」に戻してしまうと使用できなくなります。エラーメッセージが出るのでわかると思いますが、共有するURLが生成されないと思ったらエディターを新エディターのままで「classic editor」へ移行しないようにしてください。
2.記事文末に定型文を挿入する「Wp-Insert」
記事の最後は毎回同じ言葉で締める、同じハッシュタグを入れるなどと運用方法を決めている場合に役立つプラグインです。デザインを触ることなく、必要に応じて同じ文章を挿入できます。
いろいろな人が書いていて文章のスタイルがバラバラになっていても、「終わりよければすべてよし!」で末尾がすべて同じになっているとある程度の統一感が出ます。でも毎回皆に書くように共有するのも大変なので、記事の末尾に一括で同じ文章が挿入できるシステムにしておけば手間がかかりません。
インストール、有効化するとサイドメニューに[WP insert]の項目が出ますので、そこから[Add New]で挿入したい文言の入力へ進みます。
このプラグインは元々広告を記事内に挿入することを目的につくられたものなので、記事の上部や途中など、”挿入位置”も決めることができます。(ブログでは基本的に同じ文言を入れるのは末尾だと思いますので、今回は末尾に挿入すると想定して進めます。)
①Locationメニューから[Below Post Content]を選ぶ
②Ad Codeの欄に挿入したい文字(HTMLタグ入力可能)を記入する
③Rulesメニューから[SinglePost]を選択
④一番下の赤のスライダーを緑に変更
⑤[Update]をクリックして設定終了
このプラグインはかなり細かく設定でき、除外するカテゴリーを決めたり、いくつも枠をつくることができたりします。デザインを触らずにコンテンツの共通化ができるので使い慣れると非常に便利です。
3.表記ゆれを一括で直せる「Search Regex」
複数人で書く期間が長くなると問題になりやすいのが、”表記ゆれ”です。
“表記ゆれ”は同じ意味の言葉を2通り以上の表現で書いてしまうことです。
例えば、「猫」と「ネコ」と「ねこ」など、日本語でよくあるのが漢字・ひらがな・カタカナが混じってしまうこと。会社名でもよくあります、例えば「株式会社YAMADA」と「YAMADA」と「yamada」と「ヤマダ」など。元々英語なのにカタカナで書いてしまうこともよくありますよね。
表記ゆれが数多く発生すると、読み手の信頼度が無意識のうちに下がっていきます。せっかく書いているのにもったいないですよね。
最初に明確なルールを示せればよいですが、完全には難しいもの。
言葉をまとめて置き換えるが役立ちます。全部の記事を目視しなくとも、プラグインを走らせることで1つの言葉に統一できます。
プラグイン「Search Regex」をインストール、有効化すると、[ツール]の中に[Search Regex]メニューができます。そこから言葉の置き換え(=置換)をしていきます。
いくつか設定箇所がありますが、ブログ記事内の文字列を探すのであれば基本的に初期設定のままで利用できます。
◯Search pattern=間違っていて直したい言葉
◯Replace pattern=正しく書き換えたい言葉
2つの枠にそれぞれの言葉を入力し、[Search]で探すと記事内をチェックしてくれます。そして、[Replace]で置き換えを実施します。[Replace]を押すまでは記事内の反映はされていませんので、安心して[Search]をクリックしてください。
複数人で書くと、どうしても気になる表現が出てくるもの。
でも全員に「表記ルールを守るように」と指示出しすると、心理的にハードルも高くなり、記事を書くのが億劫になる原因になります。後から簡単に置換できますので、自由に記事を書いてもらうことを優先するほうが当初の目的(記事を定期的に更新する)を果たしやすくなると思います。
4.ページが消されないようロックする「Post Lockdown」
ログインの権限を分けていても(例えば管理者、投稿者など)、記事を誤って削除したり編集されたりする可能性は残ります。オフィシャルとして運営されているブログの記事が消えたり編集されたりするのは信頼性に関わるのでご法度といわれていますので、一度公開された記事は、書いた本人であっても後から修正したり削除したりしない方針がベストです。
そこで、公開された記事に(管理者が)ロックをかけ、自由に編集・削除されないようにしておきましょう。そのときに役立つのが「Post Lockdown」です。
インストール、有効化すると[設定]に[Post Lockdown]ができます。そこから設定していきます。
シンプルなプラグインのため設定すべきことは特にないのですが、上下に2つの枠が出てきます。
【上】Locked Posts(記事に鍵をかける):管理者以外の権限では編集も削除もできない
【下】Protected Posts(記事を保護する):管理者以外の権限では削除できない
後から外すことも簡単なので、とりあえず公開された記事はここからロックをかけておくと危険がなく安心です。
5.まとめ
多くの人が関わると、それぞれに気をつけていても何が起こるかわかりません。
記事の削除などはかなり大きな問題ですが、”表記ゆれ”も積み重なると「何となくバラバラな印象」を持たれてしまい信頼度が下がります。
ただ、ブログは継続的に書くことが最大の目的なので、それを阻害してしまうような細かなルールはできるだけつくらないほうがベター。システムでできることは管理者側で行い、自由に気持ちよく書いてもらうことを続けると、楽しく複数人のブログ運営が続けられるはずです。