皆さま、こんにちは。
今回はお悩みや課題の中でいちばん多いテーマである「SEO対策」の話題を取り上げたいと思います。
SEO対策といってもWEBサイトをつくっている時点で施す対策、WEBサイト内のコンテンツ設計での対策、キーワード選定や競合リサーチなどマーケティング視点で施す対策などさまざまな切り口があります。
どの対策にも共通して重要なことは、状況に合わせた細かな改善です。
Googleの方針が変わったり競合が増えたりなど、WEBの世界もどんどん変化しています。現時点で最適な対策をすることを目的に、WEBサイトに手を加えていくことがSEO対策では重要ではないかと考えています。
WEBサイトの日々の細かな改善は、ツールを導入するなどしてご自身の手で行うことがいちばんスピーディーです。もちろんプロのアドバイスの元で実践できればベストですが、予算がなかなか出ないという方もいらっしゃると思います。
WordPressでつくられたWEBサイトであれば改善の対応が手軽にしやすいSEO対策用のプラグインの導入がオススメです。
世界中で使われているCMSであるWordPressは、多彩な機能を持つプラグインを使えることがメリットの一つです。セキュリティ対策プラグインやGoogle公式プラグインなどありますが、SEO対策をサポートしてくれるプラグインもたくさんあります。
今回はプラグインの中でも2008年にリリースされ、世界でいちばん使われているSEO対策サポートプラグイン「Yoast(ヨースト) SEO」をピックアップし、その特徴とオススメの使い方などをご紹介いたします。
https://ja.wordpress.org/plugins/wordpress-seo/
■日本語OK、無料版あり
※大規模メディア等でなければ無料で十分な機能が使えます。
1.「Yoast SEO」でできること
プラグイン「Yoast SEO」には、主に以下のような機能があります。
- WEBサイトの解析(評価)
- 各ページの問題点や改善点の洗い出し
- ページのタイトル変更
- 文章のチェック
- SNSとの連携
- robots.txt や .htaccess などのファイル管理(※重要なファイルですので、ご自身が設置していない場合は制作会社にご相談の上で修正ください)
ほかにもパンくずリストの設置やGoogle Search ConsoleやPinterestなど外部サイトとの連携ができる機能があります。
大きな特徴としては文章に関わるチェックができるので、WEBサイトの原稿を社内で作成しなければならない場合はすごく助けられます。
■インストールから実装まで
インストール後に初期設定を行うことで、各機能が動き出します。インストールだけでは効果が出ないので、初期設定を忘れずに行ってください。日本語で解説が出てきますので、それに沿って設定を終わらせます。
【SEOデータの最適化を開始】ボタンを押すと最初の設定が終わります。
2.「Yoast SEO」でできる、WEBサイトの解析
SEO対策の側面からチェックしたWEBサイトの評価がわかります。
プラグインをインストールして初期設定が完了したら、解析をスタートできます。
WEBサイトの規模にもよりますが数分でチェックは完了。プラグインのダッシュボード(設定のトップページ)から結果がわかります。
もし問題点が見つかったら、どんな問題かも具体的に表示されるので、その指摘を元に改善や設定の追加・変更を行ってみてください。
3.「Yoast SEO」でできる、各ページの問題点や改善点の洗い出し
各ページの問題点や改善点のチェックが自動で行えます。それぞれのページに指摘事項が表示されるので、1ページずつ確認→改善がしやすいです。
内部リンクは積極的に改善したほうがよいのですが忘れがちなので、指摘してくれると抜けがなくなり助かります。
また、alt(画像の代替テキスト)対策も抜けがちですので、指摘は非常に役立ちます。
■注意点
【キーフレーズの長さ】の項目ですが、もともと英語のプラグインのため、日本語ではうまく機能しないとの報告が出ています。こちらの項目はスキップしてください。
4.「Yoast SEO」でできる、ページのタイトル変更
検索エンジンで表示されるため、集客においても非常に重要なポイントとなる各ページのタイトル。
基本的にはWordPressの設定で自動生成されていますが、ページごとにタイトルを変えたい/実際の記事タイトルとは違うテキストを検索エンジン上で表示させたい、ときにこの機能が活躍します。
検索エンジンに今どのように表示されているか確認しながら変更できるので、課題や改善策がイメージしやすいです。
ただ、最近はGoogle側もそのまま指定された通り表示するのではなく、自動生成しているようです。そのため、設定したタイトルがそのまま表示されるとは限りません。とはいえ、設定しておけば優先されることは間違いありませんので、ページの内容が伝わりやすいようなタイトルに変更するのは大切なことだと思います。
※参考
Google公式ページ:Google 検索結果のタイトルリンク(見出し)の変更
5.「Yoast SEO」でできる、文章のチェック
記事を追加していくメディア型WEBサイトの場合は、1ページあたりの文章量が多いため、記事中の文章が適切に書かれているかのチェックも重要になります。
「Yoast SEO」にもチェック機能がついていて、一つの目安にすることができます。ただ、このプラグイン上で問題がないからといって”読みやすい”、”検索結果で上位になる”とは明言できないのですが、1つの指標にできます。
以下のような項目がチェックされ、読みやすい文章かどうか判断されます。
・文章全体の長さ
・一文の長さ
・小見出し
もちろん文章は「どんな内容を書いているか」がいちばん大切ですが、訪問してくださる方に最後まで読んでもらうためには、読みやすさも大事です。ライターさんを入れていない記事等については目安として「Yoast SEO」の指摘を参考にするとよいのではないかと思います。
6.「Yoast SEO」でできる、SNSとの連携
TwitterやFacebookにシェアしたときに表示される画像やテキストのことをOGT(Open Graph protocol)といいます。このOGTの制御も行う機能がついています。
FacebookとTwitterのOGTの設定ができます(無料プランでできます)。
「このページだけは変えたい」や「変更して反応がどうなるか確認してみたい」と思った時にサッと手軽に実践できるのがいいですね。特にSNSで目立つアイキャッチをつくると集客効果が高いのでSNSの利活用を進めたい方にはとてもオススメな機能です。
7.「Yoast SEO」のデメリット
基本のSEO対策や記事が毎記事同じクオリティでできているかのチェックが誰でも抜けなくでき、タイトル等を変えて手軽に集客効果のテストができる面では非常に便利なプラグインですが、メリットばかりではなくデメリットもあります。
■「Yoast SEO」の主なデメリット
・プラグインが増えることによる表示速度低下
・デザイナー、コーダーが設置した表示やコードとの重複
・robots.txt や .htaccess などの重要なファイルが管理画面から触れることによるリスクの増加
やはり制作会社が設置したコードと競合したり、重要なファイルが簡単に触れるようになったりすることで、もし不具合がでてしまったら…という心配が出てきます。気軽な気持ちで入れたプラグインによって、WEBサイトのリカバリーを依頼する必要が出ることもご承知のうえ、ご利用ください。
多くの機能が盛り込まれたプラグインですが、SNSの連携だったりSEO対策が各ページで同じように施されているかの確認だったりといったコンテンツの管理に使うことを前提とした運用がよいと思います。
そのような使い道であれば重要なエラーが出る可能性はかなり減ります。活用すればとても便利なプラグインであり、コンテンツを試行錯誤することによるSEOの向上も見込めると思います。
まとめ
手軽にWEBサイトをSEO対策の側面から解析し、各ページのチェックができるプラグイン「Yoast SEO」は、日常業務をサポートしてくれる強い味方です。
どうしてもオリジナル開発ではないためデメリットもありますが、みなさまにご都合のよい機能をピックアップして使っていただき、日々の業務が少し時短になり、さらにWEBサイトもよりよいものになれば幸いです。