ブログ

  1. トップ
  2. ブログ
  3. WordPressのアップグレードをする理由と作業時に気を付けるポイント

WordPress

WordPressのアップグレードをする理由と作業時に気を付けるポイント

皆さま、こんにちは。
今回はWordPressで制作したWEBサイトのアップグレードやメンテナンスについて記事を書いていきたいと思います。

WordPressで構築したWEBサイトを持っておられるならご存じの方が多いと思うのですが、WordPressの管理画面に時折、”更新(=アップグレード)してください”とお知らせが入ることがあります。

これはWordPress本体が常に改良されていっており、月日が流れると最新版が出てくる仕組みになっているためです。最新バージョンにアップグレードすることが最適なことから、すべてのWordPressを利用しているWEBサイトに対して連絡がくることになっています(通知を切っていると出ません)。

ところで、みなさんはこのお知らせが出た時にどうされていますか?
定期的に時期を区切って対応している、保守をお願いしている担当者(外部の会社)が対応している、そのままにしているなどいろいろなパターンがあると思いますが、「どうしていいかわからないのでそのままにしている」「対応する必要を感じ取っていなかった」という方もいらっしゃると思います。

WordPressのアップグレード等にどう付き合っていくのがよいのか、最新バージョンにしておかなければリスクがあるのかなどを解説させていただきたいと思います。

<本記事の目次>

  1. なぜアップグレードがあるのか
  2. 各WEBサイトは最新版にアップグレードしているのか
  3. 自サイトのバージョンや環境をチェックする方法
  4. アップグレード(定期メンテナンス)のポイント3つ

本記事の内容は、皆さまのWEBサイトを安全で安定して保持するための情報として役立てていただける場面があると思いますので、参考にしていただければ幸いです。

1.なぜWordPressのアップグレードが必要なのか

WordPressはWEBサーバーにインストールすると使える無料のCMS(デザイン、文章、画像などを管理するシステム)ですが、バグが発見されたりセキュリティの脆弱性がわかったりしたときに本体の修正が行われます。修正が反映された最新バージョンが公開されると、「最新バージョンを使ってください」という意味合いで、更新(=アップグレード)のお知らせが届く仕組みになっています。

WordPressの本体が古い状態のまま使ってしまうと、バグをそのままにしてしまったり、安全性が低いままになってしまったりと運営にあたってリスクが高い状態になるため、最新版が推奨されます。Windowsのシステムやスマホのアプリと同じです。

公式サイトでも最新版にアップグレードするようにしてくださいとアナウンスされています。

(参考:https://ja.wordpress.org/support/article/updating-wordpress/

古いバージョンのままでもWordPressは動きますので、アップグレードをしていなくてもWEBサイトを公開することはできます。では、作業せずそのままでもいいのでは?と思ってしまいますよね。

実際にすべてのWordPressで構築されたWEBサイトが最新状態かというとそんなことはありません。

2.どれくらいのWEBサイトがWordPressを最新版にしている?

2023年10月には、約6割が最新版を利用しているとのデータが確認できました。私は思ったより多いなと思ったのですが、皆さまはいかがでしょうか。

(参考:https://www.docswell.com/s/tanuki-wp/KW13PQ-2023-10-17-183414/19

最近は自動で最新版にアップグレードされる仕組みが取り入れられたため、知らず知らずのうちに最新版になっているパターンもあると思います。だいたい年に3回程度は修正がかかり、アップグレードのお知らせが届くサイクルになっています。

3.自サイトのWordPressに関わる環境をチェックする方法

WordPressの管理画面から、WEBサイトの状態(WordPress本体、テーマ、プラグイン等)を確認することができます。

例えば、保守は外部委託せずにご自身で行われていた場合、定期的にチェックするだけでも安全性を保ちやすいです。

WordPress管理画面左サイドバー>ツール>サイトヘルス

サイトヘルスのページではWordPressのバージョンが確認できたり、安全性に対する評価をチェックできたりします。メンテナンスのときやWEBサイトリニューアルのときなどにこのページに表示されている情報が役立ちます。

WordPressはサーバーやデータベースなども密接に関わっているので、サイトヘルスのページではそれらのチェックも可能です。

専門的な数値ではあるので、専門職でなければ読み解くことは難しいのですが、ここに載っている情報がWEBサイトのメンテナンスで必要になることもあります。なかなか複雑にいろいろなものが関わっているのだなと感じられるので、ぜひこのタイミングで一度チェックしてみてください。

4.WordPressをアップグレードするポイント3つ

WordPressのアップグレードはWordPress本体のほかに、テーマやプラグインのアップグレード作業も必要です。テーマやプラグインにも不具合や脆弱性などが見つかるためです。

ただ、そのまま全部のアップグレードをクリック一つで実施していいかというとそうではなく、気を付けるポイントがありますので、それぞれのアップグレードのポイントをご紹介いたします。

①WordPress本体のアップグレードで気を付けること
WordPressのバージョン5.6以降、デフォルトのままだと本体は自動更新される設定になりました。自動更新だとセキュリティ的には安全性が高く保たれるのでメリットとなりますが、ごく稀にですがエラーが出てWEBサイトが見られない状態になったり、デザインが崩れたりする可能性があります。

(最近の私の体験では、プラグインとWordPress本体のバージョンが合わなくなり、管理画面上でエラーが出て更新できない状態になったことがありました。)

また、自動更新ではバックアップを取っていない状態でアップグレードされるため、もし「すぐ元に戻したい」となっても戻しづらいです。

◆自動更新にするなら定期的なバックアップを取り、かつその期間を短くし、エラーが出ればすぐ戻せる状態にしておく

もしくは

◆自動更新を切っておき、作業担当者の時間のあるときにバックアップを取って手動で作業する

最低限どちらかの方法を取ることをおすすめ致します。

※バックアップについてはWordPressの管理画面にも注意と解説が出ます。このような注意書きは重要な内容もありますので、ご確認の上でバージョンの更新(アップグレード)を行ってください。

WordPress本体をアップグレードしたときにテーマと互換性がなくなり表示がおかしくなるケースもあります。そのときはWordPressをダウングレードするか、テーマの不具合を直す必要があります。

また、エラーが出るのを防ぐためには、いきなり本番のWEBサイトでアップグレード作業を行わず、テスト環境でアップグレード作業を実施し、問題がないか確認してから本番環境で行うことが大切です。

■プラグインでサーバー内にテスト環境を作る
テスト環境を本番サイトと同じサーバーの中に作るプラグインがあります。プラグイン「WP STAGING 」は無料で既存の(今公開している)WEBサイトをテスト環境下にコピーして作ってくれます。サーバーを用意することなく、ログイン情報なども同じでできるのですごく便利です。


https://ja.wordpress.org/plugins/wp-staging/#description

プラグインの利用は無料でシンプルな操作ですが公式の説明動画があり、とても短いので一度ご覧になってからインストールしてみてください。

②テーマのアップグレードで気を付けること
WordPressの公式テーマや配布されているテーマを使っているとテーマもアップグレードがあります。設定しておけば自動更新が可能です。

稀にレイアウトが崩れたり管理画面内にエラーが出たりすることもあるので、自動更新をONにする場合はWordPress本体と同じくバックアップが取れる体制も合わせて整え、自動更新後には動作確認されることをオススメします。

※制作会社が自作したテーマをWordPressにインストールしている場合
WordPress本体のアップグレードを行ったときにテーマファイルが古くて動かなくなることがたまにありますので制作から時間が経ったときは注意が必要です。

・制作元に修正を依頼する
・(依頼が難しい場合)WordPressをダウングレードして一旦対処し、別の制作チームに調査依頼して修正を行う
・(それを機会として)全面リニューアルを考える

不具合が出た時は上記の3パターンが主な選択肢です。
制作元にお願いできないときに一から調査して修正してもらうのは費用面でもデメリットとなりますので、リニューアルのタイミングだと考えるのもよいかもしれません。

③プラグインのアップグレードで気を付けること
プラグインも脆弱性が発見されることが多く、アップグレードする必要が出てきます。プラグインもWordPress本体やデザインテーマと密接に関わっているので、WordPress本体をアップグレードしたときにプラグイン内の古い機能が動かなくなることもあります。

プラグインだけをアップグレードして本体をそのままにしておくなどで差が出てしまうと不具合が出やすくなります。そのような不具合はプラグインをダウングレードすれば一時的な対処ができますが、WordPress本体のアップグレードをしなければならない時期に来ていると考えられます。

「WordPress本体は怖いので触らずにプラグインだけをアップグレードする」などではなく、WordPressは本体、テーマ、プラグインと関係性がありますので、アップグレードはすべてをひっくるめてお考えになるようになさってください。

まとめ

WordPressは必ずアップグレード作業が発生しますので、WEBサイト構築時はその後の作業をどうするか、制作元とご相談されておくことをオススメします。突然WEBサイトが表示されなくなるようなエラーが出てしまったら、何が原因かを見つけるのはなかなか大変な作業で、人件費を使いますから費用もかさむでしょう。

社内でWEBサイトの構築を行っている場合は詳しい人に質問できるタイミングで作業を行ったり、バックアップを取ってからにしたり、テスト環境でアップグレードしてから本番環境で実施したりするなど、作業工程を改めて確認なさってください。

社内での人材確保が難しいときは、WEB制作を外部にお願いした場合はコーディングやシステムを担当してくれたところに定期的な保守(メンテナンス)をお願いすると安心です。こまめなアップグレードを行えば、急に不具合が出ることは避けられます。ご心配があられる方は、保守契約をご検討ください。